実況保護者面談!<受験のプレッシャーでメンタルに不安がある中3生徒>

他の先生の保護者面談を内容を知る機会はそう少ないのではないでしょうか。パターン別に保護者面談のケースと成功に導くポイントをまとめました。

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新田式保護者面談、今回の生徒さん(K・Yさん)は、成績は優秀で性格も真面目。本番に向けてスムーズに進行していましたが、夏休みの後で成績が下降気味に。直近の模試の結果もよくありませんでした。そんな娘さんを心配したお母さまとの個別面談を覗いていきます。

行きたい学校(都立S高校)があって努力してきましたが、直近の模試ではC判定。本人は自信を失って、第2志望の都立T高校に気持ちが傾いています。本人の気持ちが大切だと思い、今回は本人の同席もお願いしました。

さて、面談を始めていきましょう。

 

(参考記事)

【ダウンロード無料】保護者面談がうまくいく!新田式ヒアリングシート(1)入塾面談編

保護者面談がうまくいく!新田式保護者面談を覗き見!<入塾面談編 ①>

保護者面談がうまくいく!新田式保護者面談を覗き見!<入塾面談編 ②>

保護者面談がうまくいく!新田式保護者面談を覗き見!<入塾後面談編 ①>

保護者面談がうまくいく!新田式保護者面談を覗き見!<入塾後面談編 ②>

保護者面談がうまくいく!新田式個別面談<テスト結果が悪かった生徒編>

保護者面談がうまくいく!新田式保護者面談を覗き見!<学習障害の疑いのある生徒編>

保護者面談がうまくいく!新田式保護者面談を覗き見!<自分が担当していない生徒編>

 

面談者:新田
保護者:母親・Yさん(中3)

 

保護者
急に面談をお願いしてすみません。この時期に娘のやる気が落ちてきてしまってちょっと困っていまして。。

新田
全然問題ないですよ。この時期に不安になるのはよくあることです。自信に満ち溢れている方がめずらしいと思いますよ。相談していただきありがとうございます。Yさんも同席いただいてありがとう。

保護者
第1志望のS高校になかなかA判定が出なくて、B判定は出ていたんですが、今月の模試でC判定になってしまって……。親としては、ずっと行きたかった高校ですし、なんとかこのまま目指して欲しいとは思うのですが、本人は第2志望のT高校でいいと言っています。

新田
この前の模試がちょっと調子悪かったのかな。Yさん、感触はどうでしたか?

Yさん
がんばったけどできなかった。国語はテスト前に1番がんばった古文がぜんぜんできなくて自信がなくなりました。

新田
古文は何ができなかった?文法はよく勉強していたと思うけど、知らない単語が多かったのかな?なんとなく読んでしまった感じかな?

Yさん
はい。

新田
なるほど。でも国語は現代文はまあまあできたんじゃないかな?

Yさん
思ったよりできなかった。勘で書いたところも多いし。

新田
今回の判定は国語のせいということはないと思いますよ。準備に時間をかけた分、結果が伴わなくてがっかりしたのかもしれないけれど、この模試の結果を見ても、数学と英語の方が問題かなと思います。もう少し取れたかもしれないね。例えばこの問題とか(具体的に)。

保護者
先生、志望校をT高校にするなら今のタイミングでしょうか。例えばどの教科がどうなったら、という判断基準があるのでしょうか。

新田
そうですね。この結果だけで志望校を判断のは危険かもしれません。第1志望のS高校は自校作成問題、第2志望のT高校は都立高校の共通問題で、難易度が格段に違います。今回の模擬の偏差値では5ポイント違いますが、実施は10ポイントくらいの差があると思ってください。

自校作成問題を取り入れている学校は人気の高い学校で、学力の高い受験生がたくさん集まります。中学で習っていない問題は出ませんが、スピードが求められます。時間との勝負になると、やはりメンタルの強さも求められると思います。

あとは内申点ですね。学校の先生ともお話はされていますか?

保護者
はい。内申点だけで判断すると、S高校も目指せるというようなお話でした。

新田
それは素晴らしいですね。Yさんは努力家だから積み重ねてきたんですね。内申点は3割ですから、あとは当日の試験一発勝負になりますね。Yさんの性格上、少し余裕があるくらいの受験がいいのではないかと思いますが、どうでしょうか。

また、入学した後のことも考えた方がいいですね。どの大学に行きたいかも、なんとなくでもいいのでイメージしてみてください。

以前お話を伺ったときには、将来はGMARCHあたりで、ということでしたね。ぎりぎりでS高校に入学して成績が上位にいけない場合、指定校が難しくなります。T高校がどのくらい指定校推薦枠を持っているか、わたしの方でも調べてみますが、Yさんなら、T高校で成績上位は間違いないと思います。

 

ワンポイント解説

試験の仕組み、詳細をきちんと"保護者と生徒自身が”把握できているかも確認しましょう。正しく理解できているかどうかで話が大きく変わります。保護者が経験した受験とは、内容もルールも変わってきています。地域によっても異なります。

また、入試だけでなく、その後の学校生活、その先の大学受験のことまでイメージしてもらうといいですね。過去の卒塾生の話なども踏まえてアドバイスすることで、少しでも不安の芽を摘むことができると思います。

 

保護者
高校受験と同時に大学受験のことも考えないといけないんですね……。

新田
大学の志望校を絞る必要はありませんが、指定校や進学実績などは見ておく必要はあるかと思います。もちろん、本人が楽しい学校生活を送れることは大前提ですが、今のお話を聞く限り、どちらの学校もYさんには合っているように思います。まだ時間はあるので、このあたりのデータを見てみてください。各学校の進学実績の掲載先リンクをお送りしますね。

Yさん
確かに、どっちも行きたい学校と思えるし、制服がない自由な校風のT高校もいいかなって思っています。

新田
そうですね。志望校を下げる、というよりは、進学後のことを考えると、T高校もいいなと思いますよ。

保護者
大学進学実績は先ほどのデータをわたしの方でもみてみます。さしあたって、成績が低迷していることへの対応はどのように考えればいいでしょうか。

新田
そうですね、数学と英語に課題があると思います。Yさんが得意の「関数や計算がメインの単元」がヒットすればいいですが、序盤で心が折れないように、演習を積んでいきましょう。有名な問題や解法の確認も忘れずに、まだ間に合いますからコツコツと。

英語は時間を決めて語彙の学習と問題パターンの暗記も進めましょう。語彙力がもう少しつけば、文章ももっと読めるようになります。この2教科は今の教材をどんどんこなして、次の模試で5ポイント上を目指しましょう。気になっていた国語は一旦今のペースで大丈夫ですよ。

 

(面談終了)

 

受験生とその保護者の多くは、本番が近づくにつれてメンタルが不安定になってくるものです。1回の試験結果に一喜一憂したり、志望校選択を悩んだり、不安のために集中力が保てなくなったり……。

そんなときこそ、塾がしっかりと支えてあげたいものです。目の前の取り組むべきことを支持したり、不安や迷いを少しでも取り除くトークが求められます。ポイントは、なるべく具体的に、事実をもって話すことです。「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」という場合は、その根拠は何か、データなども織り交ぜて伝えるようにしましょう。