次世代の塾経営を考えるーー予測不可能な時代を生き抜く非認知スキルを養うために教育関係者にできること

生徒たちが生きる未来社会は、今以上に変化の激しい時代。これまでの延長の連続的な社会ではありません。これは、これまでの価値観に基づいた教育だけを続けていては、未来社会を生き抜くスキルを養成することが難しいということ。それに伴い、塾に求められる社会や保護者のニーズも、劇的に変化していくでしょう。 次世代の塾は、受験合格や進学実績だけでは立ちいかなくなる可能性が大きいもの。とはいえ、予測不可能な時代を生き抜く生徒を育てる塾経営に求められるものとは一体何なのでしょうか。時代の変化やそれに基づき求められる力から考えていきましょう。

これからのVUCA時代に求められるスキルとは

現代は、グローバル化やAIやDXなどのテクノロジーの進化で、変化の激しい時代。この流れは、今後ますます加速することが予想され「VUCA(ブーカ)時代」が到来すると言われています。

VUCA(ブーカ)とは、次の4つの単語の頭文字から作られた造語で、「激しい変化で先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」という意味。

  • V(Volatility:変動性)
  • U(Uncertainty:不確実性)
  • C(Complexity:複雑性)
  • A(Ambiguity:曖昧性)

VUCA時代は、予測不可能なことが続々と起こり、これまでの常識や知識・スキルが急激に通用しなくなることが予想されます。そんな時代でサバイブしていくためには、劇的に変化していく状況に迅速、かつ柔軟に対応することが必要不可欠。次のようなスキルが求められます。

  • 瞬時に本質を見抜き、課題を発見する力
  • テクノロジーへの知見
  • 情報収集力
  • 柔軟な適応力
  • どんな場面にも通用する課題解決の汎用スキル

課題への対応に重点が置かれていたこれまでとは異なり、未知の状況であっても課題そのものを発見し、適切に対応することが重要になってきます。

これからの塾経営では、学びや目標到達へのプロセスを通じて、これらのスキルの養成につながる土台を鍛えていくことが求められるようになるでしょう。

VUCA時代の塾に求められる「非認知スキル」と「アクティブラーニング」とは

先述したVUCA時代に求められるスキルを育むカギは「非認知スキル」と「アクティブラーニング」です。これこそ、次世代の塾経営に欠かせないキーワードとなるでしょう。どちらも耳にしたことのあるなじみのある言葉かとは思いますが、改めてどのようなものか振り返っておきましょう。

非認知スキル

非認知スキルとは、数値化できない行動特性や人間力に当たるもので、テストや検査で測定できる認知スキルとは異なるもの。次のようなスキルが非認知スキルに挙げられます。

  • レジリエンス(困難や危機的な状況から回復し、立ち直る力)
  • グリット(やり抜く力・粘る力)
  • 自制心
  • 協調性 など

非認知スキルには様々なスキルがありますが、自分をコントロールする力と、人と関わる力とに分けることができるでしょう。

塾経営に関わる方であれば、お気づきの通り、上記のスキルは塾で目標達成に向けて研鑽を積むプロセスで大いに養われていくもの。VUCA時代に勝つ塾となるためには、非認知スキルをいかに養うかまでを設計・言語化して、保護者に提示することが必要となるでしょう。

アクティブラーニング

アクティブラーニングとは、教員による一方向的な講義形式ではなく、生徒が主体的・対話的に考え、学ぶプロセスを重視した学習法のこと。

グループディスカッション、ディベート、調べ学習などを活用し、自分以外の人とも協調しながら課題解決までのアプローチ方法を身につけていきます。

塾の授業にアクティブラーニングも取り入れて、成果を出すことができれば、大きな差別化になるでしょう。そのためには、講師のファシリテーション力の養成も欠かせません。

次世代の塾経営を考えるために必要なこと

VUCA時代の塾経営のカギとなる「非認知スキル」や「アクティブラーニング」。次世代の塾経営をデザインする経営者としては、その具体的内容や、取り入れ方、実際の事例、識者のアドバイスなども気になるところなのではないでしょうか。

そこで、おすすめしたいのが2022年10月23日(日)に開催される「教育コミュニケーションフォーラム2022」。「VUCAの時代を見据えて、非認知スキルをどう育むか」をテーマに、「基調講演」や「パネルディスカッション」そしてそれぞれのテーマを発表する「プレミアム分科会」、参加者同士の交流を深められる「ワークショップ」と、充実したプログラムが準備されています。

登壇者には留学教育の第一人者、(株)アゴス・ジャパン代表の横山匡氏、「OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来」の著者で我が国の教育改革の牽引者、文科省の白井俊氏など、教育に関するトップランナーが集結。下記ご覧のうえ、是非参加をご検討ください。

  • 日程:2022年10月23日(日)
  • 会場:アルカディア市ヶ谷 (東京都千代田区九段北4丁目2-25)
  • 時間:10:00~17:00
  • 参加料 ¥5,500(税込)

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