監修いただいた先生
塾を運営していれば、目の前の生徒たちに良い授業をして成果を出すこと、保護者ときちんとコミュニケーションを取ることに多くの時間を割いていると思います。
しかしながら、それだけでは継続して安定経営を続けることはできません。日々の業務に加えて、生徒を増やすことにもしっかりと取り組まなければなりません。生徒が増えないと感じていたならば、生徒が増えない原因を分析し、具体的な対策を練る必要があります。
ただ、すぐに効果が出る魔法のような方法はありません。生徒を増やすためには、以下の2つのステップを踏みましょう。
- STEP1 :生徒が増えない理由をクリアにして改善する
- STEP2 :生徒を増やすための行動計画を立てる
STEP1:生徒が増えない理由をクリアにして改善する
生徒がなかなか集まらない時、よく言われるのが「講師の力が足りない」こと。確かに、それが原因の一つであることもありますが、講師のスキルに頼るのではなく、塾全体の問題として良くないところを改善し、良いところをうまく発信することが何より大切です。
生徒が集まらない原因は以下のようなことが考えられます。
- 授業内容が評価されていない
- 悪い評判が広まっている
- 強引な売り込みが逆効果になっている
これらの問題点は、短期的に改善できるものもあれば、時間をかけて取り組む必要があるものもあります。当てはまるものがないか、確認してみてください。それでは、それぞれの問題にどう対処するか、見ていきましょう。
Ⅰ. 授業内容が評価されていない
塾業界では、授業の質はとても大切です。ここが優れていないと、塾としての評価も望めません。授業が高く評価されるためには、以下の3つが重要です。
- 楽しさや面白さ
- 生徒のやる気を引き出すこと
- わかりやすさ
これらが揃っていれば、生徒や保護者からの評価は自然と上がります。Comiruでは生徒のやる気を引き出す授業の仕方などについて詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
参考:(連載)生徒のやる気の引き出し方
また、特に保護者の信頼を得るポイントは、日々の細やかなコミュニケーションです。授業の内容ももちろんですが、その後のフォロー、細やかな連絡がスムーズかどうかで評価が大きく異なります。
授業をやっておしまいではなく丁寧な指導報告を適切なタイミングで行うこと。生徒の様子や変化をいち早く気づき保護者に共有することが、大きな信頼につながります。
Ⅱ. 悪い評判が広まっている
もし生徒が増えない、あるいは減少の兆しを見せている場合、口コミの影響も考えられるでしょう。良い評判は広がりにくい一方で、悪い評判はすぐに広まるものです。特に、成績の伸び悩みや、授業に不満を持つ生徒や保護者には注意が必要です。これを防ぐためには、成績や面談の記録を定期的にチェックし、管理するシステムの構築が欠かせません。
そもそも、学校や地域で印象が良くない生徒がいるだけで、塾の評判が落ちることもあります。入塾面談の段階で長いお付き合いができなそうだと感じたならば、お断りするというのも手です。
参考:Comiruの成績管理について知る<今すぐ資料ダウンロード>
Ⅲ. 強引な売り込みが逆効果になっている
時に、強引な売り込み、しつこい営業が逆効果になっていることがあります。既存生徒に対して良かれと思って提案した特別授業、増コマも、「本当に必要なの?」「儲かろうとしているだけじゃない?」と思われることも少なくありません。最も重要なのは、提案が生徒の最善の利益を考えたものであるかどうかです。
ポイントは、提案がデータに基づいていることです。例えば、過去のデータを基に「この時期にこの偏差値であの高校を目指していた生徒の合格率」などを提示し、追加の授業を提案すると、営業色が薄れ、生徒のためを考えた提案になります。
もちろん、普段のコミュニケーションで信頼関係が築いていれば、保護者も提案を受け入れやすくなります。
参考記事:退塾防止や弟妹通学率の向上に! 保護者コミュニケーションの重要性とその手法
以上のようなアプローチを通じて、生徒数を増やすための具体的な戦略を考えてみましょう。
STEP2:生徒を増やすための行動計画を立てる
生徒を集め、数を増やすための方法は実はシンプルです。新しい商品開発や革新的なアイデアに頼る必要はありません。重要なのは以下のポイントです。
- 授業の見直しと改善
- 塾内環境の整備
- SNSやブログを活用した集客
- 良い口コミの創出
詳しくご紹介します。
Ⅰ. 授業の見直しと改善
授業は塾の命です。ここが不十分なら生徒が集まることはありません。その上で必要不可欠なのが、講師の質です。わかりやすく教えることはもちろん、生徒のやる気を引き出せる先生でなければなりません。生徒のモチベーションの上げ方については以下の記事で詳しく解説しています。
講師の授業を評価するポイントは以下のとおりです。
- つまずきやすいポイントの解説に工夫があるか
- 説明は長すぎず端的か
- 生徒を当ててほめるポイントが明確か
- 生徒の理解が足りない部分を把握できているか
- 誤答から生徒の状態を読み解き、適切な解説を行えるか
これらの点を踏まえた上で、優れた指導技術を持つ講師を採用し、授業を担当する講師のインプットの機会を担保することが重要です。また、普段から講師ともコミュニケーションを取り、関係性の構築に努めましょう。
参考:優秀な講師採用の新ルール。集め方と見極め方 <前編/優秀な講師をどう集めるか>
Ⅱ. 塾内環境の整備
塾の成功において見落とされがちなのが、塾内環境の整備です。教室を清潔に保つのは基本中の基本ですが、さらに一歩進めて、教室の掲示物にもこだわってみると良いでしょう。特に、生徒の笑顔や努力を称える展示物は、生徒と保護者にとって喜ばしいものです。生徒・保護者両者に事前の了承を得た上で、適切に行ってみるといいでしょう。
Ⅲ. SNSやブログを活用した集客
現代のサービス業界では、インターネットを活用した集客方法が必要不可欠です。特に、SNSやブログを通じた情報発信は、新規顧客獲得に非常に効果的です。
多くの塾のホームページは、どこも似たような内容で、「自分の子どもに合った塾」を見つけるのは難しいと思います。そこで、SNSやブログが活躍します。保護者は塾の日々の活動やリアルな情報を目にすることができるため、親近感がわきやすいのです。
また、希望する生徒層に合わせたメッセージを発信することで、目指す生徒層を引きつけることが可能です。DMやチラシなどの紙媒体と違い、常に最新情報を発信し、修正も容易な点も大きなメリットです。
Ⅳ. 良い口コミの創出
生徒数の増加には口コミの影響が大きいでしょう。口コミの源泉は、通塾中の生徒や保護者です。そのため、彼らの満足度を高めることが重要になります。口コミは短期的には生まれにくいものであり、日々の活動を通じて徐々に形成されます。成績の向上だけでなく、自習席の設置や質問対応、提出物の管理、定期テスト対策などは、保護者から見れば「面倒見が良い」という評価につながります。
また、指導報告書は保護者の信頼を獲得するのに最適です。帰宅した子どもの変化を感じた直後に塾から「こんな学習をしてこんなことができましたよ」など温度感高めの指導報告書がくると保護者は感動するものです。Comiruのような、送る側と受け取る側双方がキャッチーにやり取りできるツールを活用するといいでしょう。
まとめ
生徒が集まる塾に理由があるように、生徒が集まらないのにも理由があります。講師のスキルに頼るのではなく、塾全体の問題として良くないところを改善し、良いところをうまく発信することが何より大切です。
大切なのは日々のコミュニケーションです。生徒、保護者、そして講師と、良い関係性を構築していれば、自ずと生徒は集まります。目の前の業務にが忙しすぎて新しいことに手が回らない…、そんな時には、全体業務の効率化に着手するのも手です。
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