高校部が塾を救う!継続通塾率UPへの道

現在札幌市内に4教室を展開されるがんばるみんなの学習塾NEXT代表竹林先生に、高等部設立からその後の変化を伺いました。

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がんばるみんなの学習塾NEXT

2016年4月開設、現在札幌市内に4教室を展開。集団指導と個別指導のハイブリッド指導。リーズナブルな価格と質の両立に挑戦している。

代表 竹林裕太 氏

https://www.asuxcreate.co.jp/


 

中学3年生で受験が終わったらほとんどの生徒が卒塾してしまうケースが少なくありません。今回ご紹介するNEXTも御多分にもれず、高校部はあるものの、中3生をあたたかく送り出しておしまい、ということが常でした。

 

ところが、NEXTのある北海道は少子化が進み、中学生人口は減少。商圏内でも明らかに中学生が減り、将来に不安を感じるようになりました。とはいえ、高校部に力を入れるには、指導できる講師も少なく、新型コロナ禍で運営も不安定に……。結果、高校部の生徒数は全体のわずか2%という状況に陥りました。このまま閉鎖するか、思い切ってテコ入れするか……!決断を迫られました。

 

気づけば生徒の構成比率がまずいことに…

 

NEXTでは小学校部、中学校部、高校部の理想のバランスを、1:2:1と置いていました。前述のとおり、現状は高校部はわずか2%。小学校部と中学校部がそれぞれ35%、63%という状態でした。より長期的に地域の子どもたちの力になりたい、塾経営を安定させたい、この想いから出した結論はただ一つ、「高校部をなんとかしないと!」ということでした。

 

高校部リニューアルへ

 

ここから、NEXTの高校部リニューアルの道が始まりました。目下の課題は2つありました。

 

(1)指導できる講師が少ない問題

 

高校部を指導できる講師が少ないことから、映像授業を導入。講師はティーチングからコーチングに役割を変更。良い教材を使用しながら、生徒一人ひとりに寄り添い、理解を深めるためのサポートに徹することで、少しずつ成果を積み重ねていきました。

 

(2)指導できる時間が少ない問題

 

NEXTの時間割は、小学校部が16:30〜17:45、中学校部が19:30〜21:30です。中高生は部活があるため、どうしても18時台の時間は授業が入れられません。

これまで、この授業のない時間帯で、英検やプログラミングなどの特別講座を実施していたものの、費やすリソースを考えると経営的には大きなメリットがありませんでした。そこで、この時間帯を、高校部に解放し「通い放題」にすることにしました。

 

次に、高校部へのハードルを下げるために、2つの施策を実施しました。

 

・高校部入学後1ヶ月以内の退会は無条件で返金対応

 

初月無料ではなく、きちんとお支払いいただくことで塾のリスクを軽減。その一方で、気に入らなければ無条件で返金対応とすることで、保護者に安心感を与える。

 

・月額14,980円(税別)という低価格プラン

 

中学校部よりも1万円ほど下げ、お得感を打ち出す。

 

その他にも、オンライン保護者会やブログでの情報発信、中学校部の生徒に個別に案内したり、保護者へ電話でご案内したりといった取り組みも地道に行いました。中学校部の卒塾パーティを開催し、高校部の意識づけも行いました。

 

また、その際に発信する内容は、Comiruのツールを活用しました。特に、峯先生監修の「中学高校教科書(ページ数重量写真入り)」は、継続通塾を促すのにとても説得力があります。

 

高校部劇的ビフォーアフター

 

これらの取り組みの結果は以下のとおりです。

 

 

2020年1月に新型コロナが拡大して、高校部の募集を停止した経緯がありますが、2020年から2021年の春にかけて、実は仕込みをしていました。どうやったらこの後拡大できるか、人数の確保をどうするか、議論を続けてきました。その結果が2022年4月の数字に表れました。21人の中3生が残ってくれたのです。ゼロになるはずの生徒が継続してくれたことは大変ありがたかったです。

 

実は2022年4月以降の半年間で、高校部から5名の退塾を招いてしまいました。リニューアルで想定していた2つの課題に対する対策がうまく回らなかったことが原因でした。動画教材を用いてのコーチングの難しさ、開放した時間帯の通いづらさなどが次の課題として上がりました。

 

また、低価格プランについても、この先の塾経営を安定させるために適正かという議論もしています。料金は一度決めてしまうと値上げはかなり難しいので、最初の料金設定は慎重に行うことをおすすめします。ちなみに、高校部入学後1ヶ月以内の退会は返金対応という施策はうまく行きました。返金に至ったケースは現時点で0件、継続通塾に貢献していると言っていいと思います

 

中小塾が生き残るための高校部のあり方

 

NEXTの高校部リニューアルはまだ始まったばかりですが、ここまででわかったこと、うまくいったポイントをまとめます。

 

(1)丁寧に情宣啓蒙すれば、高校部でも続けてくれる
これまでの関係性があれば、丁寧なコミュニケーションで“卒塾”を回避することができる。

 

(2)安易な映像授業・コーチング型に気をつける

授業が商品であることを忘れない。よい教材を導入すればいいということはない。

 

(3)生徒・保護者目線に立つ

塾の売りとしてプッシュすることが、本当に生徒や保護者にとって魅力的かどうか、彼ら目線で判断する必要がある。

 

(4)安売りしなくてもよい塾作り

安売りに逃げず、現状で競争力、価値を高めることを考える。

 

私たちの取り組みで失敗したことを挙げると、「映像授業」「通い放題」「低料金」など、すぐに結果の出る簡単な方法だったと思います。それよりも、すぐには結果が出なくても、本質的な方法が長期的に見て効果的だと思います。

 

例えば、塾から保護者に一方的に「高校部へ行きませんか?」とアピールするのではなく、実際に通った先輩、もしくは高校生の先輩が「高校部でがんばってこれてよかった!」「高校の勉強はこんなに大変だから塾は行った方がいい」と話した方が確実に効果があります

 

また、「こんなに大変」という言葉よりも、実際の教科書のボリュームを見た方が腑に落ちますし、数字で何パーセント、何点、何ページと見られた方がリアルです。私は、峯先生監修の「中学高校教科書(ページ数重量写真入り)」を活用しました。

 

また、先輩の声は塾のアピールにも使えます。生徒の許可を得てチラシに使用していますが、新規入塾にも効果があり、また、事例として取り上げられる生徒のモチベーションUPにも繋がりました。中にはチラシに掲載されるためにがんばった生徒さんもいます(笑)

 

(先輩事例を塾のアピールに活用)

 

生徒の声を集めるのは、Comiruを活用すると便利です。情報を募集する際にも、手紙や電話、メールで依頼するのではなく、お知らせ機能から一斉送信します。アンケートフォームに入力していただいた情報はそのままデータとして収集、使用することができるため、生徒の声を利用するためだけにコストやリソースを費やす必要はありません。

 

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Q&A

Q:
メンバーやスタッフ、講師を巻き込むコツは?

 

A:

自分だけ先走って空回るということもあったと思います。全体を見ている塾長・教室長は、その先に進もうとしますが、現場のスタッフは同じ景色を見ているとは限りません。立場が違うので当然なのですが、そこは課題だと常に思っています。

 

例えば、子どもがいるのは私だけなので、親目線というのがいまいち伝わりづらくて……。子どもがいるから良い悪いということではありませんが、少しでも「子ども」「保護者」というものを分かってもらいたくて、次の研修で出産や子育てに関する動画を見てもらおうかと考えています。スタッフと目線を揃えるということは意識しています。

 

(本記事に関する詳しい資料はこちらへお問い合わせください)