保護者の心をつかむ!保護者面談の極意(前編) ーー保護者面談成功は面談前に決まっている

保護者と何を話せばいいかわからないなど、保護者面談についての悩みや苦手意識を持っている人は多いでしょう。保護者面談は、保護者からの信頼感を得られる絶好のチャンスです。限られた時間にいかに効率よくコミュニケーションをとるか、事前準備に何が必要かなど、元大手塾経営者である経営アドバイザー大澤一通先生に、保護者面接成功のポイントを伺いました。

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保護者と何を話せばいいかわからないなど、保護者面談についての悩みや苦手意識を持っている人は多いでしょう。保護者面談は、保護者からの信頼感を得られる絶好のチャンスです。限られた時間にいかに効率よくコミュニケーションをとるか、事前準備に何が必要かなど、元大手塾経営者である経営アドバイザー大澤一通先生に、保護者面接成功のポイントを伺いました。

保護者面談の成否は保護者面談前に決まっている

———保護者面談が苦手な先生も多いと思います。面談ではどんなテーマで話すといいでしょうか。

保護者面談でのテーマは2つです。これまでの振り返り、つまり過去の話と、次の目標、未来の話です。中でも面談の目的は目標設定に合意を得ることなので、未来の話に時間をかけることが必要です。ですが、苦手意識をもっている先生方の話を聞くと、過去の話の中で保護者とのコミュニケーションがうまくいかなかったというケースが多いようです。この原因は、保護者の期待と過去の成果のギャップにあることが殆どです。このギャップは当然いい成績を残してくれていれば起こらないのですが、そんなに良い時ばかりじゃないというのが現実でしょう。

———保護者の期待とこれまでの成果のギャップがあると、未来の話に持っていくのは大変です。過去の話でギャップを生まないためにはどうしたらいいでしょうか?

保護者面談の極意というテーマの話の中で恐縮なのですが、保護者面談の成否、特に過去の話については保護者面談までにほぼ決まっています。それが、前回の面談からこの日までの保護者コミュニケーションの積み重ねです。どのくらいの頻度でどんな情報を提供してきたか。生徒に対してどんな指導をし、その結果はどうだったのか、塾で起こったプロセスを日頃から保護者に共有しておくことこそ、保護者面談がうまくいく1番の方法です。それができていれば、保護者も状況がわかり、未来の話にたっぷり時間を使うことができるのです。

加えて大事なポイントは、過去の結果を踏まえ未来の話をする前に、できれば生徒にコンセンサスを取っておくことです。「お子さんはこれでがんばると言ってます!」と伝えれば、保護者も口を出すことはありません。

答案から読み取れる生徒の変化を伝える

———他に保護者面談の成否を決めるような効果的なコンテンツはありますか?

まず、これまでの面談の記録です。生徒一人ひとりについて、各保護者と、誰が、どんな話をしたのかを記録しておきましょう。Comiruのようなツールを用いるのも手です。前回何を話したか覚えていない、担当者が変わったからわからないなどは絶対にNGです。信用を失うことになりかねません。塾側は多数の生徒に向き合っていますが、保護者にとっては塾の窓口は一つです。担当者が変わっても、1人の情報をきちんと引き継げるように、仕組み化は必須です。

効果的なツールとしてもう一つ、生徒本人の答案を見せるのもおすすめです。生徒の答案にはすべての情報が詰まっています。点数や順位といった無機質な情報だけではなく、字の丁寧さ、間違い方、白紙の割合などから生徒の変化が読み取れるものです。 “丁寧に書く余裕ができてきた” “最後まで粘り強く取り組むようになった”など、情緒的な話もとても大切です。生徒の方も、後から見られるので意識するようになります。

数字が上がった下がったという事実は見ればわかることです。勉強に向かう姿勢など、褒められるところをなるべくたくさん見つけて保護者に伝えてください。保護者も、家に帰って「先生が褒めてたよ」と子どもに声をかけるかもしれませんね。そうすれば、生徒はまた機嫌よく塾に通ってくれるでしょう。

<保護者面談を成功させるための準備> 
普段から保護者とのコミュニケーションを綿密に
・前回の面談記録に目を通し、提案・指導を一貫する
・生徒の答案を活用する

保護者面談の日程調整が面倒な方必見!効率的な調整法とは

講師を巻き込めば三方よしが叶う

———たとえ成績が不調でも、何か一つでも褒めて保護者と生徒のモチベーションを高めるということですね。授業態度なども講師と連携が取れているといいですね。

保護者面談に講師が絡むということは、実はとても有効です。面談は塾長・教室長がおこなうことが多いと思いますが、生徒のことを一番近くで見ているのは講師です。ですから、わたしは可能な限り講師が顔を出せるようにしていました。

保護者の立場に立つと、普段自分の子どもが教えてもらっている先生に会えることってなかなかないんです。挨拶だけでも、実際に会うことができれば保護者は安心します。

また、このことは講師にとってもプラスです。大人の人にきちんと挨拶をし、必要な情報を短時間で伝える、生徒の良さを説明するという一連のコミュニケーションは、講師自身の成長にもつながります。

実際、保護者に会うと講師の態度は変わるものです。子どもに期待する親の思いを直接受け止めることで、責任感が芽生えるんだと思います。塾にとってもいいことです。

———昨今は学習塾もオンライン化が進んでいますが、保護者面談もオンラインは有効でしょうか。

普段のコミュニケーションもIT化していますし、オンライン授業もスタンダードになってきました。保護者面談のオンライン化は今後増えると思います。理想は対面かオンラインの選択制でしょうか。

複数名参加の保護者会はオンラインが増えましたね。塾の方針など全体の話は動画でも構いませんし、最新の入試情報は同時双方向型のオンラインセミナーにして、随時質問も受け付けながら進められます。何れにせよ、世の中の動向に合わせて柔軟に対応し、常に進化していくという塾の姿勢も見られていると思います。(後編:保護者の心をつかむケース別保護者面談対応法に続く)

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