他塾はどうしてる?夏期講習生の継続UPの課題やアイデアを塾経営者同士で1.5時間語ってみた【第2回コミラボミートアップ開催レポート】

2022年6月10日、Comiruユーザー会「第2回コミラボミートアップ」をオンラインにて開催しました。全国から7名の塾経営者の先生方が集結。間近に迫る夏期講習の集客や講習生の継続UPについて、課題やノウハウ共有が行われました。

第1回に続き、カジュアルな雰囲気ながらも、たくさんの共感や学び合いが生まれた1時間半。当日のディスカッションの様子をダイジェストでお届けします!

夏期講習生の継続率UPのための取り組みは?

夏期講習を制するものが塾経営を制するとも言われるほど、重要な夏期講習。新たに獲得した講習生の通常授業への継続率向上が、塾運営の命運を握っています。ご参加いただいた先生方の多くが継続率90〜100%と高い数値となっていましたが、その秘訣はどんなところにあるのでしょうか。皆さんのノウハウをお伺いしました。

面談を実施

アット・内藤先生

  • 親御さんとのコミュニケーションを意識している。行き帰りの際のちょっとしたコミュニケーションに加え、講習終了後には面談も実施。講習中の行き帰りのコミュニケーションでは生徒の様子を話し、面談では夏期講習で取り組んだことや成果をお伝えしている。

MAXtation・西原先生

  • 講習期間が半分ほど過ぎたところで、講習の取り組みの様子や2学期以降のポイントを伝え「よかったらご家庭での様子もお聞かせいただけませんか?」と面談を打診している。

「指導報告書」で信頼感醸成

個太郎塾・鴨志田先生

  • 講習生にもComiruを利用いただき、指導報告書を送付している。できたこと、課題点、今後の指導方針の3点を伝えている。

アスクリエイト・竹林先生

  • 講習申し込みの最初の手続きのタイミングで、ComiruのQRを案内して登録いただくようにしている。保護者は、集団塾なのに指導報告書が届くのが新鮮なようで喜んでくださっている。理解度が曖昧なところについて「どうしたらいいでしょうか」と相談に発展することも。指導報告書を通して、塾の指導の手厚さを実感いただけるようにしている。

英心うえの塾・御簗先生

  • 指導報告書では、質問を投げかけるコミュニケーションを意識している。講習が終わったタイミングで「講習を受けられてどうですか?」などと投げかけると、反応が返ってくることが多い。
  • 集団指導と個別指導の両方を行っているが、集団指導だと生徒の人数も多く、講師によっては毎回1人ひとりに指導報告書を送れないケースもある。そういった場合でも、運営スタッフがお知らせや講師から聞いた生徒の様子を伝えるようにして「きちんと見てくれているんだな」と思ってもらえるようにしている。

特にフォローが必要な家庭には電話や他ツールも

「指導報告書」や「お知らせ」を送付しても、見ていただけないケースもあるものです。そういった家庭は、継続いただけない可能性も高まり黄色信号。未読の多い家庭を洗い出して個別に電話などでフォローをしているといった声も寄せられていました。

MAXtation・西原先生

  • 未読の方をシステムから把握して「お知らせ送ったんですけどご覧になられていないようなので」と電話している。

アスクリエイト・竹林先生

  • 以前は未読の家庭は退会予備軍とコミュニケーションに気をつけていたが、最近はきちんと伝えるべきことを伝えようと連絡するようになった。
  • 講習がスタートしてすぐのタイミングでは「指導報告書」ではなく、保護者に様子をヒアリングしたり、状況を報告するための電話を入れるようにしている。講習無料の特典で入会される方もいらっしゃるので、継続特典(継続初月無料)のご案内と合わせて電話をかけることもある。

ひざくら学習塾・村田先生

  • 指導報告書や面談依頼には反応がなくても、LINE(※)だとメッセージが来る保護者もいらっしゃる。Comiruで反応がない場合は、LINEやメールなどで「ご覧いただきましたか?」と連絡を入れると繋がりやすい。

継続受付期間の工夫も

アスクリエイト・竹林先生

  • 講習期間の真ん中に継続期間を設けるようにした。講習の終了後に継続を打診するのでなく、講習の途中に継続のアプローチをしている。講習期間中だと、保護者も電話に出ていただきやすく、講習の様子も報告できて2学期からの提案もしやすい。これは通信教育のDMや広告の提案を参考にした。今後の学習予定をチラ見せする手法も参考にしている。

保護者向けには、面談や指導報告書の活用、電話とさまざまな接点を用いて継続に繋げようと工夫されている様子がわかりました。また、講習生の保護者だけでなく生徒との接点も充実させるお取り組みも。「感想シートを記入してもらい、授業後に確認して押印することで必ず講習生と一言交わす機会をつくる(アスクリエイト・竹林先生)」といった工夫のご紹介もありました。

夏期講習集客の工夫や悩みは?

夏期講習の集客に関しては、「入会金は無料にしている。2人以上で入会すると初月授業料半額のキャンペーンも実施している。男の子より女の子のほうが2人以上で入会してくれる印象(アット・内藤先生)」など、さまざまなキャンペーンで工夫されている声をお寄せいただきました。

お悩みの多かった声としては「講習無料キャンペーン」の扱い。周辺の多くの塾が「講習無料」を実施しているため、集客を増やすには無料を実施したほうがいいものの、無料講習生が増えると継続の歩留まりが悪くなると葛藤されていました。

アスクリエイト・竹林先生

  • 周辺の塾が講習無料を実施しているため、完全有料にしてしまうと生徒が集まりづらい。そのため、最初の1週間は無料。その後の本格的な講習は有料という2段階の設定をしている。

アット・内藤先生

  • 講習を無料にしてしまうと通常授業の料金との差異で継続率が下がってしまうため、8回で1万円くらいの低料金としている。

MAXtation・西原先生

  • 個別指導なので、無料にすると講師の時給分赤字になってしまうため、一切値引きはしていない。流入は少なくなっても、いかに継続100%に繋げるかに注力。講習生より通塾生のほうがお得な価格設定にして、はじめから入塾いただける取り組みをしている。料金体系を2種類準備しているのは、大手の英語教室やエステなどのやり方を参考にした。

また「講習生」という募集は行わず、講習と通塾をセットにしているというお取り組みのご紹介もありました。

個太郎塾・鴨志田先生

  • 夏期講習と同時に通塾の申し込みを受け付けているため、講習生を募集するという概念はない。夏期講習中は、いろいろな先生の授業を体験してもらい、9月からの通常授業をどの先生にするかを最後に相談している。

講習無料で目先の集客はできても、継続につながらなければ本末転倒です。安易な無料化はせず本質的な価値提供にこだわる、最初から入塾いただける仕組みを考えるなど、先生方の工夫の数々に運営メンバーも大きな刺激を受けました。

また、集客の新しいツールとしてYouTubeを活用しているとの声もありました。

エヌラボスタディ・新田先生

  • 1週間に1人くらいの頻度で、YouTube経由で入会の問い合わせがある。動画は、Comiruのお知らせ機能で保護者に紹介することもある。知り合いに転送してくれるといったことにも繋がっている。

コロナ禍で教育・学習系のコンテンツをYouTubeで見ることが増えたことが、集客ツールとしてのYouTubeの可能性を高めたのかもしれませんね。

参加いただいた先生からの感想

同じ塾業界といえども、他塾の取り組みに触れる機会は思っている以上に少ないもの。第1回に続き、第2回「コミラボミートアップ」も、塾同士の横の繋がりが生む化学反応に大きな可能性を感じる会となりました。

ひざくら学習塾・村田先生の「できたら今後もこういう機会を設けていただけるとありがたいです」との言葉に、運営メンバー一同、首が取れるほど大きく頷きました。塾同士が有機的に繋がることで、学びの場がより良いものとなっていくことに加速度がつくはず。そんな場づくりに、今後もお役に立てたらと思っています。これからの「コミラボミートアップ」にもご期待ください。

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