コロナが落ち着いても続けたい、オンライン5つのメリット!

弊塾(個別教育フォレスト)は、緊急事態宣言の発令後、直接の対面授業を全てストップし、4~5月の間、完全オンライン授業に移行しました。6月からは基本的に対面授業に戻しましたが、一部オンライン授業を継続しています。 おそらく同じような対応を取られている塾さんは多いと思いますが、これまでをふり返ってみて、オンラインによる教室運営のメリットがいくつか見えてきました。

監修いただいた先生

オンライン授業を実践して見えてきたこと

実際、コロナという予期せぬ外圧によって始まった取り組みではありますが、怪我の功名とでも言うのでしょうが、新しい発見もたくさんあったのは事実です。もしかしたら、まだまだ新しいアレンジのチャンスが眠っているかもしれません。私なりの気付きを5つのポイントにまとめましたので、今後の貴塾運営のヒントになれば幸いです。

なお前提として、弊塾は一般的な1:2の個別指導塾です。それを前提とした事例ではありますが、集団指導や自立型の塾さんにおいても十分応用がきくと思いますよ! 

さて、その5つのポイントとは以下の通りです。大きく「塾および講師」「生徒さん」に分けて、それぞれのメリットを整理してみます。

<塾・講師側のメリット>

・講師が帰省先でも授業ができ、シフト管理が楽になる
・育休中のスタッフでもテレワークが可能になる
・指導スキルが向上する

<生徒さんのメリット>

・不登校の生徒さんでも授業が行える
・部活で最終コマが間に合わない生徒さんも授業が受けられる

オンラインのメリット ~塾・講師編~

【その1】講師が帰省先でも授業ができ、シフト管理が楽になる

これはとても大きなメリットでした。弊塾では、実家を離れて一人暮らししている学生講師が全体の67割を占めますので、帰省時のシフト管理は毎年ひと苦労だったのです。1日や2日くらいの休みなら大丈夫ですが、特に長期帰省時は「今週・来週はまるまるシフトに入れない」ことも多いですからね。

 しかし、オンライン指導が可能になったことで、この問題が解消します。「講師は帰省先から、生徒は教室から」という形を作ることができました。

実際、講師も帰省したところで、1日中予定が詰まっているわけではありません。物理的に「教室に出勤できない」だけであって、「仕事する時間がない」わけじゃないんですよね。

講師としても、帰省中は収入が途絶えてしまうわけですから、「帰省中もできて、アルバイトもできる」のであれば、願ったり叶ったりです。

さらに、シフトに穴が開かないことで、もちろん生徒さんも受講しやすくなります。私たち塾側も、帰省する講師も、生徒さんにとっても、みんなにメリットがある最強モデルではないでしょうか。コロナ自粛や移動制限もいったん落ち着きを見せ始めたいま、コロナに関係なく今後も活用できると思います。

【その2】スタッフのテレワークが可能になる

全国的にテレワークの認知や推進が進みましたが、塾も例外ではありません。上記の講師シフトも、言わばテレワークですしね。

ただ、弊塾でのテレワーク実践は講師以外にも波及しました。今年の4月から育休復帰したスタッフです。当初は、保育所にお子さんを預ける形で復職してもらうことになっていましたが、送り迎えの負担や、急な発熱などのトラブルもあるでしょう。そこで、塾内のオンライン環境を整えるのに乗っかる(?)形で教室勤務を減らし、その分をテレワークに振ったのです。

これも効果はてきめんでした。むしろテレワークにすることで、稼働時間を増やすことができたのです。

本来の教室勤務では夕方までの勤務だったのですが、テレワークで自宅にいながら業務ができます。本来は退勤後であった夕方以降の時間帯で、オンライン授業を行ってもらうことが可能になったのです。

また、大学の学校推薦・総合型選抜(旧推薦・AO)入試の志望理由書の添削や、オンラインによる1on1セッションも手伝ってもらえるようになりました。 

もちろん「自宅でも仕事しろ!」とかそういう話ではありませんよ。「もっと働きたいけど、家庭の事情でその時間が作れない」というスタッフさんにとって、とても良いシステムだということです。「対面でなくてもできること」って、意外と多いんだなと感じました。

【その3】指導スキルが向上する

オンラインは、対面と比べたときに圧倒的に「視覚」から得られる情報が不足します。対面指導では、講師は生徒さんのほぼ真横にいますから、彼らのいろいろな情報を目から得ることができます。

例えば鉛筆の動き具合、ノートに書いている途中式、表情などです。私たちは、こうした視覚情報から得たことを、授業に反映していきますよね。

そのためオンラインの場合、「隣にいない=視覚情報を得にくい」という部分をカバーする必要があります。例えば対面時に比べ、より具体的に、より的確に問いかけるなどする必要があるのですが、弊塾の講師たちはこの能力が向上しました。

この経験が、対面になったときも活きています。対面授業しかやっていなかったら、なかなか身につかない(気付けない)意識だったので、とても役立っています。

オンラインのメリット ~生徒さん編~

【その1】部活で最終コマが間に合わない生徒さんも授業が受けられる

全国大会を目指すようなガッツリ系の部活に所属する生徒さんは、遅くまでその練習に汗を流します。しかし、一度自宅に帰って荷物を置いてから弊塾に向かうと、最終コマ(2040分)開始に間に合わないことがありました。生徒さん自身も「自宅でオンライン授業を受けられるのは、とても楽で便利!」と言っていました。確かに自宅で着替えることもできて、ほっと一息ついてから授業に臨めるのはとても大きいですね!

【その2】不登校の生徒さんでも授業が行える

弊塾では、不登校で学校に通えていない生徒さんが何名かおります。これは賛否両論あると思いますが、私自身は「学校に行きたくなければ行かなくて良い」派です。

ただ不登校の場合、「学校は休んでいるのに塾には行く」という状況に抵抗がある生徒さんが多いのも事実です。繊細なメンタルの部分なのですが、気持ちはとてもわかります。ちなみに、学校でも「不登校の生徒さんに(オンラインで)学習指導する機会ができて良かった」という事例は多数あったようです。

また、塾であっても対面の授業が苦手で参加できないという生徒さんもいます。そうした生徒さんも、オンライン授業なら参加が可能です。実際、オンライン授業が確立できていなければ、この生徒さんと授業することはできませんでした。オンラインにして良かったな、と思ったことの一つです。

 

以上、オンライン授業を行ったことによる運営メリットです。塾さんによっていろんなケースがあるとは思いますが、少なくとも私はオンライン授業を導入・実施したことで「教室運営の幅が広がった」のは間違いないと思います。 

対面授業もオンライン授業も、どちらでも対応できるようにしておくことで、外的要因に左右されにくい「強い」運営が行えるようになるはずです。「コロナが過ぎ去ればオンラインは不要」とは考えずに、せっかく良いツールを手に入れたのですから、今後に活かしてみませんか!?