
塾・スクール経営の難しいところは、サービスの内容や質が目に見えないところ。さらに、その対価を払う保護者は塾で授業を受けるわけではありませんし、形のあるサービスを受けるわけでもありません。
目に見えないサービスの対価は、生徒や保護者の信頼感、安心感、やる気に支えられており、言うまでもないことですが、それらはさらにコミュニケーションによって支えられています。今回は、塾・スクール内のコミュニケーションを円滑に行うコツ、生徒・保護者が安心できるコミュニケーション方法についてご紹介します。
現場の大人のコミュニケーションで組織力が決まる
教室長と講師部下、講師同士など、現場の大人の人間関係を良好にすることは、競争力の高い組織をつくる上で非常に重要になります。教室長の意図をスムーズに組織に浸透させるには、良質なコミュニケーションの回数を増やすこと。そのことで、部下の信頼や相談しやすい職場環境を構築することが大切です。
「元気ないね?」とか「この前の授業良かったよ」といった小さな声掛けはもちろん、担当する生徒の成績についての議論や、塾の理念や指導方針を再確認できるようなコミュニケーションの場も必要です。これらの積み重ねが、講師の育成にも繋がります。
現場のコミュニケーションが、他塾との差別化、競争力、強い組織構築に強く関わっていることを意識しましょう。
参考:講師育成の早道は、本気度が伝わるコミュニケーションの循環
講師間のコミュニケーションをどう取るか
特に個別指導塾の場合、講師同士のコミュニケーションが希薄になりやすいことがあります。
ある大手塾の経営者に、生徒が増える教室かどうかを何で見極めているかを聞いたことがあります。答えは「先生の表情が明るいかどうか」ということでした。
職場のコミュニケーションが活発なら、生き生きとした空気が流れ、当然先生の表情も明るくなります。そのことが、楽しい授業を生みます。
講師間のコミュニケーションは情報交換のタイミングで生まれます。「この生徒の成績を伸ばすにはどうすればいいか」「どんな指導が生徒の心を掴みやすいか」「教えやすい教材は何か」「今生徒の間で流行っていることは何か」など。このような会話がスムーズにできる現場は、風通しのよい開かれた教室だと言えるでしょう。
そのためにまずできることは、生徒情報の共有です。学力レベルや指導内容、授業後の反応、家庭学習状況など、生徒についてよく知っておくことが、話題のきっかけになります。
Comiruは、生徒一人ひとりの生徒情報、指導報告、成績情報、面談状況といった全ての情報を時系列も含めて、すべて一元管理することができます。そのため「Cさんは部活でトラブルがあったため、最近勉強に集中しづらいできない様子」といった情報共有や、「Aくんに〇〇を教えたいけど、学力が同等のBくんの反応はどうだったかな?」といった確認が簡単にできます。その結果、全ての講師間で生徒の認知が進み、スムーズなコミュニケーションが生まれます。
先生と生徒のコミュニケーション
先生と生徒のコミュニケーションはとても重要です。それは、コミュニケーションがやる気のきっかけとなるからです。
生徒指導に悩む講師には、「どうすれば生徒がやる気を出してくれるか?」「どうすれば授業を聞いてくれるか?」「どうすれば教室の雰囲気をよくすることができるか?」といった悩みが多いでしょう。
わかりやすい授業のために多くの準備時間を費やし、話しかけやすいよう教室の入口でいつも挨拶するようにしていても、なかなか関係が深まらないのは辛いものです。
生徒に話を聞いてもらうためには、まずは生徒の話をどれだけ聞けるかが重要です。人間関係ができていない時に話だけ聞こうとしても難しいかもしれません。生徒のために何かを一緒にする、ということが突破口になります。
例えば、定期テスト対策時に準備が進まず、不安に思っている生徒がいれば、授業で理解度を確認し、すぐに対応してあげる「面倒見の良さ」があれば、生徒は先生を信頼してくれます。コミュニケーションが深まれば、先生の話にも耳を傾けてくれるようになるでしょう。そこからやる気が生まれます。
成績が上がらない生徒ほど、コミュニケーションが大切になります。ひとつひとつのコミュニケーションを通じて、生徒の日常生活や興味・関心を知り、やる気を与えるきっかけ作りを行う組織を作りましょう。
参考:塾長必見。生徒・保護者・講師の心を掴むコミュニケーション術
塾と保護者間のコミュニケーションもとても重要
退塾防止、良い口コミを地域に流すために必要なのが、保護者とのコミュニケーションです。しかし、講師の中には、保護者とのコミュニケーションが苦手な方もいます。
保護者の不満の多くは、以下のような漠然とした理由から表出します。
- 成績が上がらない
- 家で勉強しない
これに対し、塾側が以下の通り、保護者と共有しているかどうかがポイントになります。
- どう指導しているか
- どこを目標にしているか
- できるようになったこと(指導の成果)
- 現時点の課題
このようなコミュニケーションは、指導報告書を通じて行うのが便利です。授業が終わるごとに、生徒一人ひとりの単元の進捗度や宿題、あるいは生徒の様子などを記録する指導報告書は、塾・スクール運営にとって最も大切なツールと言えます。
指導報告書の運用は実はとても簡単です。例えば、Comiruの指導報告書はテンプレートを活用し、効果的に送ることができます。多くの場合、授業中や授業が終わって数分程度で入力し終えることができます。
保護者にとっても、塾・スクールとの接点が増えるため、ちょっとした相談もしやすくなります。指導報告書の書き方についてはComiruでもたくさん紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
生徒・保護者・先生のコミュニケーションにシステム化を
学習塾の運営にあたり、コミュニケーションはとても大切です。いかに円滑なコミュニケーションを行える環境を整えるかが、塾の生命線といっても過言ではありません。
そのような環境を生むためにはシステム化が必要不可欠です。システムの導入で業務の効率化は格段に進みますが、実はコミュニケーションツールとしても、費用対効果は高いと言えます。
今どき、講師や保護者とのコミュニケーションはスマホアプリが必須です。システム選定の際には、スマホアプリと連動しているかどうかを必ず確認してください。
まとめ
塾・スクール運営において、最も重要なのは「目に見えない価値」をいかに伝え、信頼につなげるかです。その土台となるのが、現場の講師同士、生徒との関係、そして保護者との橋渡しまで含めた、三者間のコミュニケーションです。
講師間の情報共有が活発であれば、授業の質が高まり、教室全体の雰囲気も良くなります。生徒とは、話を聞く・一緒に取り組むという姿勢を通じて信頼を築き、やる気を引き出すことができます。さらに、保護者には指導内容・成果・課題を継続的に伝えることで安心感を提供でき、退塾防止や口コミにもつながります。
そして、これらのコミュニケーションを組織として継続・強化するためには、システム化が欠かせません。スマホアプリと連動したツールを導入することで、情報共有はスムーズになり、生徒・保護者との距離もより近くなります。
強い塾は、強いコミュニケーションから生まれます。日々の小さな声掛けから仕組みづくりまで、組織全体で「伝える・共有する」文化を育てていきましょう。
Comiruを使ってコミュニケーションが改善した事例
・名進研さま
「指導報告書を通じて、保護者の安心感と信頼感が向上。保護者の声や相談が届くようになり、小さなSOSも早期に把握できるようになった。」
・BOUNCYさま
「保護者へのお知らせも効率化。未読がわかるから後追いもスムーズ」
・ECCアフタースクールさま
「Comiruを使って、子どもの様子が知りたいという保護者ニーズに合わせてコミュニケーションを強化」
・ハイゲートさま
「Comiruでの指導報告書には、保護者から毎回お礼やコメントをいただけ、保護者からの信頼感が上がっていると実感」













