塾長必見。生徒・保護者・講師の心を掴むコミュニケーション術

学習塾を安定的に経営するために重要な要素の一つに、生徒、保護者、講師からの信頼、それを得ることのできる塾長の求心力が挙げられます。これには様々な要因がありますが、特に大きく影響するのがコミュニケーションです。一切手を抜かず、真面目に仕事をしているのに周りがついてこない…。講師との距離が縮まらない…。そんな塾長は、コミュニケーションの仕方が間違っているのかもしれません。

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学習塾を安定的に経営するために重要な要素の一つに、生徒、保護者、講師からの信頼、それを得ることのできる塾長の求心力が挙げられます。これには様々な要因がありますが、特に大きく影響するのがコミュニケーションです。

一切手を抜かず、真面目に仕事をしているのに周りがついてこない…。講師との距離が縮まらない…。そんな塾長は、コミュニケーションの仕方が間違っているのかもしれません。今回は生徒・保護者・講師がついてこない塾長の特徴を、主にコミュニケーションスキルをテーマに、Comiruアドバイザーの大澤先生に解説していただきます。

役割によって塾長に求められるものが変わる

塾長は2つのタイプに分けられます。授業を受け持つ塾長(主に集団塾)と、管理だけする塾長(主に個別指導塾の塾長)です。これらは塾長として求められるものが違います。

前者に求められるのは絶対的に授業力です。授業がピカイチじゃないと生徒はついてきません。当然、教科の専門性は必須です。生徒の質問に答えられなければそれだけで信頼を得ることはできません。先生として一目置かれる存在であるためには、言葉遣いや姿勢、さらに身なりがきちんとしているとか、端的にいうと“憧れの大人”であるべきです。少なくとも清潔感は絶対に必要です。

後者に求められるのは、まずは管理能力です。授業の進度や生徒と講師のマッチング、コマ管理など、総合的にしっかりと管理できているかどうか。さらに、進路指導の質も求められます。学校情報のみならず、世の中の動向など最新情報を把握しておく必要があります。

塾長として良いコミュニケーションとは

信頼される塾長はコミュニケーション能力に長けていることは誰の目にも明確です。授業も面白くて生徒に人気、保護者会でも保護者の心を掴みます。コミュニケーションで相手の心を掴むのは一朝一夕にはいかないかもしれませんが、ポイントを押さえれば少しずつ好転していきます。

コミュニケーションの基本は “話す”ではなく“聞く”ことです。相手の話を聞くことを傾聴と言いますが、傾聴のポイントは以下のようなことです。

  • 相手の話を途中で遮らずに最後までちゃんと聞く
  • 頷き、相槌を打ちながら話を聞く
  • 相手に対して真正面に向き合って聞く
  • 相手の意見を否定しない
  • 相手の言葉をおうむ返しする

若い方にありがちですが「コミュニケーション」というと社交性、誰とでも物怖じせずに話せる、話すのが上手なこととイメージし、自分には向いていない、と思いこんでしまうこともあります。

しかし、ビジネスで求められるビジネスコミュニケーションは、相手の話を聞き理解すること、本当に聞きたい内容を整理して話すことです。もちろん話し方が上手ければいうことはありませんが、それはあくまでもプラスアルファであり、それよりも内容が重要ということをご認識いただけるといいと思います。

コミュニケーションをそう捉えると、実は努力で改善可能ということがわかるでしょう。人前で話すのが苦手というのは変えられないかもしれませんが、何を話すか整理する能力は後天的に鍛える事が可能なのです。

生徒とのコミュニケーションのポイント

話を戻します。大人が子どもにしてしまいがちですが、相手が話している途中につい先読みして「ああ、それはこういうことね」と遮ってしまうことがありますよね。それをされると、子どもは最後まで話すことを諦めてしまいます。もしくは、大人に言い換えてもらう、解釈してもらうことに慣れてしまいます。最後までちゃんと目を見て聞いてあげましょう。

また、「部活が忙しくて…」と言ってきたら、「そうか」とか「わかりました」ではなく「部活が忙しいんだね」とおうむ返ししてあげてください。それだけで、相手にちゃんと伝わったと安心するものです。

子どもは大人の表情や雰囲気をよく観察しています。先生が楽しそうに生き生きと働いていると生徒も楽しくなります。逆に、先生がやっつけ仕事をしていると分かると生徒のやる気も下がります。生徒の表情は鏡に映る自分だと思ってください。話すトーンや表情はとにかく明るく、常にポジティブな言葉を使ってください。どんな些細なことでも、何か認めるポイントをみつけてしっかり伝えてあげてください。

保護者とのコミュニケーションのポイント

保護者とは丁寧に対話を重ね、本音を聞き出す努力をしてください。相手が求めてないようなことをペラペラと話す塾長はいませんか?コミュニケーションは“話す”ではなく“聞く”です。

「おうちの方も大変ですよね」と保護者の苦労をいたわるような声がけも有効です。保護者にとって、子どもの成績の悩み、子育ての大変な部分を共有できる相手は意外と少ないんだと思います。保護者の心を掴んだかどうかは、面談後に保護者が笑顔になるかどうかが一つのバロメーターです。 

講師とのコミュニケーションのポイント

「塾長とはかくあるべき」に凝り固まってる人が多いかもしれません。塾長は単なる役割です。できることもできないこともあって当然です。部下より何もかも優れているとは思わないほうがいいです。“最後は責任を取る”という覚悟だけ持っておきましょう 。特に若い人はマイクロマネジメント(部下の行動を細かく管理し、過干渉すること)されるのを嫌がります。彼らは自由にやらせた方が能力を発揮します。塾講師という仕事を選ぶような若者は特にそうでしょう。

生徒とのコミュニケーションのポイントで、先生が生き生きと働いている姿を見せることが大事だとお伝えしましたが、それができるかどうかは塾長にかかっています。たかが大学生のバイト、3年で入れ替わるからわざわざ教育しても無駄だという意見は根強いでしょう。しかしながら、長年この業界に携わってきて導いた答えは、大学生が生き生きと働ける環境を努力してでも作り出すべきだということです。

生徒は大学生の先生を見て、近い将来の自分をイメージするでしょう。彼らがどんな働き方をしているか、年齢が近い分、影響力も大きいのです。だから、大学生の働き方で、生徒の士気、ひいては塾のレベル・価値が変わってくるのです。

このことは講師にとってもプラスです。彼らが将来社会に出た時に役立つ力になります。『ES(Employee Satisfaction:従業員満足)無くしてCS(Customer Satisfaction:顧客満足)なし』と言いますが、顧客満足度を上げるには従業員満足度をあげることを考えましょう。干渉しすぎず放置もしない、見守る姿勢がちょうどいいと思います。

ちなみに大手塾でありがちなのは部下が年上、元ベテラン教師というパターンです。こうなるとコミュニケーションは少し難しいと思いますが、ここでも塾長は役割だという意識を大切に。どちらが偉いということはありません。 

塾長の大切な仕事

生徒、保護者、講師に向けて、ポイントを押さえたコミュニケーションを心がけるためには、現場をしっかり見ていなければなりません。机間巡視で授業をチェックし、生徒の表情や声のトーン、姿勢から感じ取ってください。Comiruで定量データをチェックしておけば、変化を見逃すこともないでしょう。 また、自分の価値観ややり方は常にアップデートしましょう。新卒で塾業界に入ったとしたら、ものすごく狭い世界で生きているのだと認識してください。世界を広げるために、いろんな価値観を持った人と積極的に関わる努力をしてください。これは塾長の業務ではありませんが、塾の将来のためには大切なことです。そのための時間を捻出するのにも、Comiruが大いに役立つと思います。