内部充実のための5つの施策 優秀な学生講師の採用・育成 vol3

監修いただいた先生


1on1ミーティングの効果 

1on1ミーティングとは、教室長と生徒が1対1で話し合う場です。弊塾では中3生・高3生は毎週、非受験生は月1度のペースで実施しています。まだ開始したばかりの試みですが、学習の進捗管理がやりやすくなった、退塾が減ったという効果を実感しています。 実施する目的は大きく次の3点です。 

・ 学習状況の進捗管理
・ モチベーションの把握
・ 生徒の不安や不満の把握

生徒は社員や講師が知らないうちに「今の先生ちょっとわかりにくい 」と......いった不満を抱えていたり、学習に対するモチベーションが下がってしまったりしています。こうしたサインは早期に察知し、対策を講じなければいけません。1on1ミーティングはこうした生徒の変化の早期発見にとても効果的です。 

また生徒とのコミュニケーションの量が増えるため、心を開いてくれるようになるメリットもあります。そうなれば自分から進んで不安や不満を打ち明けてくれるようになるので、生徒の変化により気づきやすくなります。 そうして発見できた改善点をしっかり対策していくことで生徒の満足度も上がり、結果的に退塾の防止・予防にもつながります。 まとめますと、1on1ミーティングには次のようなメリットがあります。

・ 生徒とのコミュニケーションの量が増加する
・ 生徒が心を開きやすくなる
・ 生徒の変化を察知しやすくなる
・ 学習の進捗管理がしやすくなる
・ 退会が減る 

1on1ミーティングは非常に有益ですのでぜひ取り組んでください。そうお伝えすると「時間がない」という声をよく聞きますが、時間はつくるもの。請求書の作成など本来教室長の仕事でないことを、事務スタッフを雇うなりシステムで自動化するなりして、生徒のための時間を捻出しましょう。それが教室長の仕事です。 

中3の継続率アップ 

弊塾では中3生の60〜70パーセントが継続しています。ここからはその秘訣をお伝えします。こちらも私たちだからこそできる方法論ではありません。実践して頂くことで皆さんの塾の中3継続率も必ずアップします。実際、私がコンサルティングさせて頂いているリアル・パートナーズ会員塾様の中3継続率も飛躍的に伸びています。 ポイントは次の3点です。

・ 高校入試は通過点という意識を社員と講師、生徒に持ってもらう
・ 楽しい教室環境づくり
・ 合格後も生徒が教室にやってくる仕組みづくり 

多くの生徒にとって受験の最終目標は、自分が進学したい大学を見つけてそこに合格することです。しかし多くの塾が「中3生のゴールは高校受験合格」と誤ったゴールを設定し、継続しなくてもしかたないと考えてしまっています。まずこの意識を変えましょう。塾の役割は預かった生徒たちを大学受験まで支えることです。

弊塾では中3生と高校受験の話はほとんどしません。「将来どんな大学・学部に行きたい?」「それならこの高校がいいんじゃない?」と大学受験を前提に話をします。これによって生徒も「塾へ通うのは大学受験のため」という意識に変わり、自然と継続してくれるようになります。 

生徒が引き続き自塾で学びたいと思ってくれるためには、快適な環境が欠かせません。生徒にとっての「第2の我が家」となれる塾をつくりましょう。 

継続のためには塾や生徒たちの意識を変えるだけでは不十分です。高校合格後も塾へやってくる仕組みをつくりましょう。 たとえば以下のような取り組みが効果的です。

 自習日程を組む 
・ 春休みに先取り講座
・ イベント 2ヵ月無料キャンペーン(3〜4月)
・ 高1の中間テストを渡す(偏差値60くらいの高校のテスト)

皆さんは生徒から高校合格の連絡をもらったとき、どのように対応していますか?「おめでとう!」とだけ伝えて電話を切ってしまっていませんか? それでは生徒は二度と塾へ顔を出してくれません。 

合格連絡を受けた際には、たとえば「おめでとう! じゃあ何月何日に高校へ向けた勉強会をみんなでやるから集合ね!」といった具合に、次に塾へ来る日を設定しましょう。継続のためにはこうしたキャンペーンを組むのが効果的です。弊塾では毎年3〜4月に2ヵ月無料キャンペーンを行っています。 

このとき必ず具体的な月日を伝えましょう。「来れたらおいで」では絶対に来てくれません。 

ただし忘れてはならないのは、こうした取り組みは第一に生徒のためであって、継続するしないは二の次であるということ。高いお月謝を払って自塾を選んでくれた生徒と保護者への恩返し、少しでも良い高校生活のスタートを切れるように支えてあげるという気持ちを忘れないようにしましょう。弊塾では継続するしないにかかわらず、全生徒を対象に2ヵ月無料キャンペーンを実施しています。 

高1の1学期の定期テストの内容を見せるのも継続率アップに効果的な施策です。弊塾では3月に偏差値60くらいの高校のテストを生徒に見てもらいます。「5月にこのテストを受けるんだよ」と伝えると、みんな驚いて「今から勉強しなきゃ!」と意欲が高まり、継続につながっていきます。 

中3継続率アップの施策を3つご紹介しましたが、最後に1つ追加でお伝えしておきたい施策があります。それは志望校の生徒の姿を見せてあげることです。高校の話を聞くと中3生のモチベーションは自然と高まります。こうして生徒たちが世代を超えて支え合う流れをつくると、自然と継続率も高まります。  


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