Vol.2「生徒数が30人超えて、事務作業が回らなくなってきました」

監修いただいた先生


目標だった教室長。でもいざ働き始めると、「こんなはずではなかった」「思っていたより辛い…」という声も。「新米教室長のお悩み相談室」は、そんな悩める新米教室長のためのコラムです。解決するのは、おなじみComiruアドバイザーの大澤先生です。

 

今回のお悩み(中規模学習塾新米教室長 S・Mさん)

「生徒数が30人を超えて、事務作業が回らなくなってきました。今まで生徒と正面から向き合い、一緒にがんばって成果を出してきました。今は生徒に向き合う時間も深さも思うように取れず、自分の強みが生かせていないことに自信が無くなりそうです。」 

長い目で見たら事務処理よりコミュニケーション能力  

事務処理というのは向き不向きがあるものです。例えば、100人分の事務処理であってもササッとできてしまう人もいます。わたしの長年の経験から言わせてもらえば、コミュニケーション能力の高い人は事務処理が苦手な人が多いですね(笑)。相談者さんもそのタイプかもしれません。でも、長い目で見たら、事務処理を極めるよりも、コミュニケーション能力を活かす方がいいです。やはり教育の中心は人ですから。

コミュニケーション不足がもたらす魔のループ

さて、話を相談内容に戻します。相談者さんは今、かなりヤバイ状況にあると言っていいでしょう。事務処理に追われて生徒と向き合えていない状況が続けば、待っているのは負のループです。 

「事務処理に稼働が取られる」→「生徒・保護者とのコミュニケーションが薄まる」→「生徒・保護者の満足度が下がる」→「口コミ評価が下がる」→「集客数が減る」→「口コミがないため広告宣伝費で集客しようとする」→「口コミがないから集客効果が得られない」→「ますます生徒・保護者とのコミュニケーションが薄まる」

お気付きですね?実は新規開校でもっとも重要なのは、最初の生徒の満足度を上げることなのです。最初にいい口コミが生まれれば、自然と生徒は集まります。目の前の生徒ときちんと向き合うことが、この先の集客につながるのです。事務処理に時間を取られて生徒・保護者とのコミュニケーションがおろそかになっている今のこの状況が、この先の集客や退塾に大きな影響を与えてしまう可能性があるということですね。一見些細な相談にも思えますが、経営に大きなインパクトを与えるお悩みなので、早めに解決していきましょう。

迷わずSOSを上げるべし!

じゃあ、事務処理はどうするのか。得意な人に助けてもらえばいいのです。新米教室長にありがちなのが、教室長という肩書きに縛られて、なんでもできなければ!と気負ってしまうこと。教室長は単なる役割です。すべてが完璧である必要はありません。自分の弱みをさらけ出し、フォローしてくれる人を探してください。SOSを出すのに勇気がいるかもしれませんが、相手だって頼られることで嫌な気持ちにはなりません。 

【SOSを出すとよいタスクの例】 

  • 集客やイベントのチラシ作成
  • 講師の出勤確認
  • 講師の給与計算や明細作成
  • 請求書作成 

SOSを出すときのポイントは、頼み方です。暇そうにしている講師に「ちょっとこれやっといてくれ」と頼んでも「教室長がやりたくないだけなんじゃないか」と思われてしまいます。講師との関係性の話にも繋がりますが、次回のコラムで詳しくお伝えします。

 

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