失敗しない!塾管理システムの導入方法と選び方

Comiruでは塾管理システムを導入したいけれど、何から検討したらいいかわからないという声をよく聞きます。また、システムを導入しても、その後うまくいくケースと失敗するケースがあります。今回は、実際に現場の代表としてシステム導入を先導した大澤先生と、数々の学習塾でComiruの導入支援を行なっている折越が、システム導入方法とその選び方について、実例をもとに解説します。

システム導入がうまくいくケースといかないケース

まず、システムを導入しても、その後うまくいくケースと失敗するケースがあることをお伝えしておく必要があります。

システム導入がうまくいくケースは、そのことで何を解決したいかが明確になっている、つまり、自塾の課題を、経営陣、現場が共通認識として持っている場合です。また、それがシステムを入れることで解決できる、理想の形に近づくことがイメージできている場合です。

システムを導入してもうまくいかないケースは、たいていシステムを入れることが目的になっているケースです。経営者が現場の課題を掴み切っていない、現場が腹落ちしていないといったことが背景に見受けられます。「課題が明確になっていないのにシステム導入?」と思われるかもしれませんが、実は経営者が塾の課題をクリティカルに把握しているケースはそう多くはありません。実際、Comiruの導入を検討いただく学習塾の多くがそうであるように、現場の仕事に追われながら、経営課題を分析し掘り下げるというのは、経験や時間の観点で無理があります。

一方で現場ではシステム導入=新しい業務が追加されると思われがちです。トップダウンで行う場合は、何のために今システムを導入するのか、これによってどう変わるか、明るい未来を見せることが必要です。それを現場が納得すれば、やってみようかなと思ってもらえます。その際必ずやって欲しいのは以下2つです。

・新しい業務を1つ取り入れるときは、今までやっていた業務を1つ取り除く。

・キャリアや業績など、いろんな階層の人たちの意見を聞き、決定プロセスの中に現場の意見を聞いたという事実を含んでおく。

一見トップダウンの方が進捗が速そうに思えますが、導入前のコミュニケーションにちゃんと時間をかけた方が、導入後の実装までのスピードが速くなるものです。これはシステム導入に限らず、何か新しいことを始めようとするときはぜひ心がけていただきたいです。

成功するためのシステム選定手順とTODOリスト

ここからは成功するためのシステム選定の手順を順を追ってご説明します。各フェーズでのTODOリストも参考にしてください。

(1)課題の抽出と必要機能の洗い出し

システムを入れて何を解決したいのか、まずは課題の抽出を行いましょう。そして、その課題が解決できる機能を備えているシステムを選択肢に入れてください。問い合わせの段階で課題が具体的になっていなくても、導入を検討しているシステム先の担当者と話をする中で要件が固まってくることもあります。Comiruでもよく見られる光景です。

(2)自前で構築するか、既存の専用システムを使うか 検討する

小規模の学習塾で自前システムの構築は、金額的に現実的ではありません。中規模以上の場合は課題が明確で予算があれば自社開発でシステム構築を行うケースもあります。しかし、「自社開発は人に仕事が張り付き、対応できる人材の確保に苦労する」「運営保守費用や追加開発など継続的な運営でパワーがかかる」といったケースが起こりやすく、注意が必要です。

(3)比較検討の際は、必ずトライアルを

Comiruでも、遠慮して導入後にトライアルするという塾様もいらっしゃいますが、やはり話を聞くのと自分で操作するのは全然違うものです。必ず契約前にトライアルし、利用感についても納得が得られてから導入しましょう。

(4)既存の業務の確認・調整 を行う

システムを導入することで、慣れていた業務の流れが変わります。そのため、導入直後はとまどいやエラーが発生することは往々にしてあります。もしそれでも導入したほうが良いと大きいと判断したら、当初に起こり得る多少のデメリット=運用の変更等は受け入れて、運用の方を調整すべきです。これを、社員、講師が納得感を持ってやってくれるかどうかが勝負の分かれ目です。決まったからやれと現場に指示するのは絶対ダメです。

(5)機能の拡張性・サポート体制を検討する

自社開発、外部システムの導入いずれの場合も、「今後欲しい機能がリリースされる予定があるか」、また「ニーズをくみ取りサービス開発してくれるかどうか」を検討しましょう。システムに求めるものも月日とともに、変わっていくものです。今後の変化にどれだけ対応してくれそうか、導入時に確認しておきましょう。

また、サポート体制も重要です。システムを導入したからと言ってその日から使いこなせるわけではありません。導入方法や使い方について、「サポートの窓口はあるか」「マニュアルはあるか」など困ったときの相談先が準備されているか確認しておきましょう。

====契約====

(6)現場にシステム利用を浸透させる

「最初はこれまでの業務の流れが変わって戸惑いもあるかもしれないが、一緒にやっていこう」と丁寧なコミュニケーションを心がけてください。例えば指導報告書で「どんな内容が保護者・生徒に喜ばれるか」、「どんな報告をしたいか」など、講師の思いも乗せて未来を見せてあげましょう。評価項目に加えるなど、会社としての本気度を見せるのも有効です。

担当者直伝!システム会社への問い合わせHOWTO

導入前の塾の課題の洗い出しはできる範囲でOK

最初から完璧である必要はありません。導入を検討しているシステム先の担当者と会話しながら言語化できていくケースも多くあります。課題の言語化は難しいものです。

個人塾の場合、塾長先生の頭の中で課題がうずまきながらも、それを第三者とディスカッションする機会がないことが多いかと思います。客観的に課題を見る上で、第三者の意見をぜひ参考にしていただきたいと考えています。

例えば、「退塾率を減らしたい」、「保護者とのコミュニケーションをとりたい」などの意見を多くいただきます。Comiruのように塾に特化しているシステム会社なら、これらを紐解いて、今の塾の状況に対して何が足りなくて、どんな機能で解決するべきかのノウハウがあるはずです。Comiruは可能な限り、お困りの先生方の壁打ち相手になります。

 

社内プレゼンを優位に進めるにはシステム会社を巻き込んで

システム導入は前述の通り、経営者と現場の先生方の両方が導入の目的を把握しておく必要があります。そのため、トップダウンで検討している経営者の方は現場の先生への伝え方を、現場の先生から経営陣に導入を提案したい場合は経営者に刺さりやすいプレゼンを行う必要があります。システム会社は数多くの導入事例を把握しているため、各社導入サポートも行ってくれるかと思います。Comiruでも場合によっては資料作成などでお手伝いすることもございます。

 

機能の多さに不安を感じる必要なし。まずは必要な範囲を使いこなすべし。

学習塾によって必要な機能が異なってくるため、Comiruにも色々な機能を搭載しています。機能が多いからと言ってそれを全部使いこなそうと思わなくても大丈夫です。かえってすべての機能を完全に使いこなしている塾は少数派です。Comiruのように自社開発ではなく、既存の専用(SaaS型)システムの場合、各塾の業務の流れに合わせてオーダーメイドで作成したものではないため、ある程度はシステムに合わせて業務を調整していただく必要がでてきます。すべてをシステムに合わせて運用しようとせず、まずは自塾の課題を解決する機能から徐々に使い始めていきましょう。そしてトライアルしてみて使いこなせそうか、現場の理解が得られるか。この観点で比較検討してみてください。