学習塾のIT化が必要な5つの理由【後編】

前回は、学習塾がITを導入しなければならない理由を3つ解説しました。今回は、その続きとして、残りの2つの重要な理由を紐解くと共に、具体的にどのようなシステムを導入するのが良いかを、詳しく紹介していきます。

監修いただいた先生

IT化のメリット④ 生きた情報のタイムリーな公表が可能になる


学習塾でもITを導入することによって、生徒募集の面でも他塾より有利になります。例えば、Comiruを導入すれば、通塾する生徒の定期テストの結果を即座に公表することができます。Comiruでは、生徒や保護者がスマホで点数を入力する機能があり、これによって、テスト結果が判明した時点での集計とタイムリーな公表が可能になるわけです。

従来であれば、生徒が塾に来た時に点数を書いた紙を集め、忘れた生徒に提出を促し、全ての集計が終わるのに1か月かかる場合もあります。期末テストの結果をアピールして夏期講習の勧誘をしたいのに、これでは間に合いません。ITシステムでスムーズに集計できれば、実績をすぐに訴求し、新規入塾生の募集で他塾を一歩リードできるわけです。

また、中学を卒業して高校に進学する生徒を募集する際にも、ITシステムのデータは有効に活用できます。例えば、毎年3月初旬、通塾する生徒の大学の合格実績を、合格者自身がスマホで入力することで発表と同時に集計し、即座に公表してアピールするのです。公表の時期は高校入試の最初の合格発表がある前までとします。こうすることで、高校入試に合格した生徒に、その先の大学合格の実績をいち早く訴求し、他塾に先んじて効果的な勧誘を行うのです。

データは“生もの”であり、賞味期限があります。公表のタイミングが遅れれば、せっかくの実績やデータも賞味期限切れとなり、意味を失ってしまう場合もあります。タイムリーに公表するためにもITシステムの活用は不可欠といえるでしょう。

IT化のメリット⑤ システムにデータが貯まるので、共有して教務品質向上につながる


ITシステムが整備されると、先生同士のナレッジの共有も実現します。例を挙げてみましょう。保護者や生徒にお知らせや報告をする際、一から文章を作るのは手間がかかります。そうした文章の作成が苦手な先生もいるでしょう。そこで、文章が得意な先生の見本や生徒、保護者の反響が良かった文章を“テンプレート”として保存し、名前や数字、一部の内容を変えるだけで送信できるように共有するわけです。

こうしたテンプレートがシステムに数多く保存されていれば、お知らせや報告の作成が極めて効率的になり、新人の先生が保護者に誤解を招くような文章を送ることも防げます。

また、Comiruでは、先生と生徒・保護者とのやり取りを塾長や教室長などの責任者がチェックすることが可能です。やり取りの得手・不得手が一目瞭然ですから、苦戦している先生に、うまくコミュニケーションを行っている先生のやり方をテンプレートとして提供することができます。このように文書をシステム上で縦横無尽に共有することによって、チーム力を高めることが可能になるのです。

 

 

自塾にあったシステムの選び方

では、ITシステムはどのように選べばよいでしょうか。まず、検討するべきことは、自社で一から開発するか、ベンダーが提供するシステムをインターネット経由で利用するSaas型のようなシステムを導入するかです。自社開発はそれぞれの塾に合った機能を盛り込めることが利点ですが、開発コストが非常に高く、導入後も自社でメンテナンスやアップデートを行う必要があり、ランニングコストもかかります。

資金力のある大手の塾であれば自社開発も選択肢となりますが、中小の塾や小規模の個別指導塾では困難でしょう。その場合、Saas型など、ベンダーが提供するシステムを導入するのが選択肢として有効です。Saas型のシステムであれば、保守・運用はベンダーが行ってくれるため、導入後も手間がかからず、安心して使うことができます。

Saas型のシステムを選んだ場合、次に考えるべきなのは、単機能型にするか、多機能型にするかです。単機能型の場合、例えば、「生徒の入退室管理」「授業料の請求管理」「保護者とのコミュニケーション機能」など、現時点で必要と思われる機能だけを導入することが可能であり、コストも抑えられることが利点です。

ただし、当初、小規模だった時は単機能で対処できていても、生徒数が多くなり、多教室展開によって規模が大きくなると、他の機能も必要になってくる可能性があります。機能を追加すると、かえってコストが高くなったり、既存システムとの連携が難しくなるなど、不都合が生じることも考えられます。

一方、多機能型は最初からフルに機能が備わっているため、機能追加が不要で、将来的な発展や規模の拡大を想定している塾にとっては、最適な選択肢といえます。Comiruはその代表格で、多機能型の中では導入コストが比較的リーズナブルな点が特長です。また、Comiruは、導入後のサポート体制がしっかり整っており、上手に使うためのトレーニングやセミナー、勉強会も数多く用意されています。今後も導入済みの塾からの要望を新機能として反映させることによって、より使いやすく、より効果的なシステムにバージョンアップを図っていく予定です。

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