監修いただいた先生
子どもの通塾を検討する際、親が重視するポイントの上位は「通いやすさ」です。いくら進学実績に目を惹かれても、電車を乗り継いだり遠方から送迎したりするケースは稀です。つまり、インターネットで塾を検索する際には、多くの場合、地域名や駅名で検索するということになります。
MEO対策とは
みなさんも、行きたいお店を調べる時に、「ケーキ屋 世田谷」などと入力することがあると思います。出てきた結果はどのように見えるでしょうか。
Google検索を用いた場合、その情報は地図上に表示され、一覧で「営業日」「お店の写真」「クチコミ」などが確認できると思います。駅から遠そう、クチコミで高評価、今日は定休日か……など、お店のサイトに辿り着く前に、ある程度の情報を得ることができます。
この機能が、Googleビジネスプロフィールと呼ばれるものです。情報発信側からみると、地図という特性を活用し、周辺の地域に密着した集客対策ができるということです。これを、MEO(Map Engine Optimization/マップ検索エンジン最適化)といいます。地域に密着した集客に効果的だという点で、塾にとってMEO対策は非常に効果的です。
また、専門性の高いスキルが必要なSEO対策と違って、MEO対策はシンプルで初心者でも比較的簡単に着手、運用することができます。今回はポイントを絞ってご紹介します。
塾にとってMEO対策とは
MEO対策を正しく行うと、Google検索で塾名や関連ワードが検索された際に、Googleマップ上に塾名を表示することができます。塾名を指定して検索された場合はもちろん、「塾」で検索された場合にも、候補として塾名が表示されます。
例:「吉祥寺 塾」と検索した結果画面 2024年10月時点
ここで表示される情報欄に、正しい情報、最新情報を入れておきましょう、というのが、MEO対策の基本です。地域を絞って検索される可能性が高いからこそ、地図情報で必要な情報を発信することが重要です。
塾がMEO対策をするべき理由5つ
塾がMEO対策をやるべき理由を、特に効果があることから5つご紹介します。
(1)商圏エリアのターゲットへの認知が高まる
先述のとおり、マップに塾情報が掲載されることは、地域での集客が特に重要である塾・スクールにとってはマストです。駅近ならそれだけで優位になりますが、たとえ競合と比べて駅から遠くても、近くに駐輪場があったり、クチコミが高評価などの情報があることで、クリックされる可能性が高まります。
(2)塾の魅力を広く訴求できる
後半で詳しくご説明しますが、MEOの元データとなるGoogleビジネスプロフィールでは、検索ユーザーが知りたい情報を自由度高く編集することができます。塾の紹介文はもとより、外観や教室内の写真、教室の雰囲気などの情報を発信することで、興味を持ってもらいやすくなります。
参考に、エヌラボスタディのGoogleビジネスプロフィール情報の一部をご紹介します。写真によるイメージ訴求やクチコミ掲載などに力を入れています(クチコミも下部に表示されています)。
(3)体験授業やイベント、キャンペーンなど最新情報の告知ができる
Googleビジネスプロフィールに体験授業やキャンペーンなどの情報を登録しておけば、検索ユーザーの目に留まります。ホームページのお知らせを更新するよりも簡単で、Googleのサービスを使って多くの人に発信することができます。
(4)クチコミ機能が活用できる
Googleビジネスプロフィールでどうしても気になるのがクチコミです。実際に通っている生徒、保護者の評価は大きな判断材料です。もちろん、良くないクチコミは集客の妨げになりますが、評価が高い、やや高いくらいの塾なら候補に上がってくると思います。普段から良い関係性が構築できている保護者や生徒にクチコミをお願いしたり、クチコミ投稿キャンペーンを実施するなど、工夫するとよいでしょう。
また、クチコミ投稿にはこまめに返信することをおすすめします。たとえ良くないコメントでも、「コメントありがとうございます。いただいたご意見を真摯に受け止め、今後の運営に活かして参ります」「いただいた意見につきまして、塾内で情報共有し対策を検討中です」など、塾側の姿勢を示すことで、「きちんとした塾」「風通しの良い塾」という印象に変わる可能性があります。
最近は業者や、近隣塾からの嫌がらせで評価を下げさせることもあるようです。クチコミ内容が事実と明らかに異なる際は、その旨を記載しておくのも有効的な手段だと思います。それと同時に、Googleへの報告を行い、評価の取り消しを申請しましょう。
(5)運用が簡単
MEO対策は機能がシンプルで運用しやすいのが特徴です。クチコミへの返信は流動的に発生するかもしれませんが、その他はいたってシンプルです。Googleビジネスプロフィールに必要事項を登録しておくだけ、キャンペーンなど最新情報を忘れずにアップデートするようにしましょう。
より効果を狙うなら、写真を更新したり、キーワードを工夫してみましょう。その場合、リーチがどれだけ変化したかなど、効果測定もセットで行うと完璧ですが、まずは基本の「情報入力」をしっかりしておきましょう。
MEO対策のはじめ方
では、さっそくMEO対策をはじめてみましょう。準備は簡単、Googleビジネスプロフィールに必要情報を記載するだけです。おさえておきたいポイントがあるのでご紹介します。
(1)Googleビジネスプロフィールを登録しよう
まずはGoogleビジネスプロフィールの登録です。代表者がオーナー確認をして必要事項を入力します。手順はとても簡単ですが、いくつかコツがあります。
1 Googleビジネスプロフィールのオーナー確認をする
Googleビジネスプロフィールは無料で作成できます。サービスサイトでオーナー確認をし、必要情報を登録する準備をしましょう。
2 Googleマイビジネスを登録する
Googleマイビジネスに登録したら、必要情報を登録します。MEO対策では「名前」「住所」「電話番号」の3つの項目が特に重要と言われています。住所はホームページや塾ポータルサイトなどに記載している表記と統一するようにします。半角全角、ハイフンなどは特に注意しましょう。
その他の情報を、「情報タブ」に入力します。情報は正確に記載しましょう。ホームページがあればリンクを登録します。
(2)クチコミがあればなるべく早く返信しよう
保護者や生徒、場合によっては問い合わせた経験のある人や近隣の人からのクチコミが入るかもしれません。良いクチコミにも、そうでないクチコミにも、なるべく早く対応するよう心がけましょう。塾がどのようなコミュニケーションを取っているのか、判断されます。件数が増えて対応に追われるようになれば、テンプレート化しても良いでしょう。
(3)MEO対策は効果測定もセットで行おう
Googleマイビジネスは、無料でインサイトを確認することができます。インサイトでチェックできる項目は「ビジネスの検索に使用された検索語句」「ユーザーがビジネスを見つけたGoogleサービス」「ユーザーの反応」です。どんなキーワードで検索されたか、どのくらいみられたか、そこからホームページに推移したり、電話をかけたりなどのアクション数などがわかります。効果的なキーワードは何か、どんなユーザーに興味を持たれているかなど、定期的にチェックするようにしましょう。
まとめ
塾・スクールが取り組むべきMEO(Map Engine Optimization/マップ検索エンジン最適化)対策についてご紹介しました。Googleビジネスプロフィールに情報を登録しておくことで、エリアを意識した集客対策ができます。
塾がMEO対策をするべき理由を5つご紹介しました。
- 商圏エリアのターゲットへの認知が高まる
- 塾の魅力を広く訴求できる
- 体験授業やイベント、キャンペーンなど最新情報の告知ができる
- クチコミ機能が活用できる
- 運用が簡単
マップに塾情報が掲載されることは、地域での集客が特に重要である塾・スクールにとってはとてもメリットがあります。塾の雰囲気がわかる写真を掲載したり、クチコミを集めたり返信するなど、ちょっとした工夫で効果が期待できます。
専門性の高いスキルが必要なSEO対策と違い、MEO対策はやるべきこともシンプル。初心者でも比較的簡単に着手、運用することができるのでおすすめです。
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