DXはなぜ失敗するのか <Comiruと塾業界の「あゆみ」>

前回の記事で、DXの導入の必要性についてお伝えしました。それでも、DXの必要性は理解できても、うまくいくかわからない中で投資するのは怖いという人も多いでしょう。

巨額の投資をしたものの、途中で頓挫してしまったり、現場から「前の方がむしろ効率的だった」という声が上がってしまったりするケースも少なくありません。

Comiruは、学習塾や各種スクールの、それぞれの課題、事業規模、運用体制などに合わせた提案、課題解決を行ってきました。その中で、見えてきたDX成功への秘訣を、失敗からの教訓としてご紹介したいと思います。

※Comiru「あゆみ」では失敗事例、成功の秘訣などをまとめてわかりやすくご紹介しています(無料)。ぜひこちらからお申込みください。

失敗理由その1、社員に丸投げしてしまった

一番よく目にするケースで、特に大企業の経営陣の方が陥りがちな罠が、トップがDX推進を現場に丸投げするパターンです。

もちろん、プロジェクトチームを発足して任せることは悪いわけではありません。ただ、あまりにも現場に丸投げしすぎて、本来の理想とはかけ離れてしまうことがあるのです。

その理由は経営と現場の力学の違いです。未来を見ている経営と、今を見ている現場。どちらが正しいということではなく、立場の違いが生むギャップです。重要なのは、経営の目線から意義を考え、意思決定することです。

失敗理由その2、現場の運用に100%合うシステムを求める

ComiruはSaaS(クラウド上で使えるソフトウェア)なので、時に「現状の自社の運用にぴったり合わない」と言われることがあります。ご意見はごもっともで、もちろん、我々も様々なニーズに合わせられるようシステムをアップデートしています。

しかし、SaaSの特性上、現状の運用をまったく変えずに対応できるシステムは存在しないと思います。それを求めるなら、完全自前のシステムを開発する必要があります。それには莫大な費用がかかる上、ちょっとした修正、変更に大変な手間がかかります。誰がやるの?ということにもなりかねません。

ComiruがSaaSを採用しているのには理由があります。1つは、システムのアップグレードや不具合について一元管理できること。2つ目は、利用企業の要望を反映しながら蓄積された運用ナレッジを利用企業に還元できることです。

実際に、ある企業の現場のご担当者からのかなり細かいニーズを仕様に盛り込んでみると、他社のご担当者から「これは便利だ!」と喜ばれることもあります。

現場の運用をシステム導入に合わせて変えてしまうという発想も、時には必要なのかもしれません。

失敗理由その3、保護者にメリットがない

DXによる業務効率化がゴールになってしまい、「効率化による新たな価値の創造」というところまで視野に入れなかった場合、これは明らかに失敗ということになります。

例えば、「メールの一括送信システム」を導入したとして、送信する側は便利になるでしょう。しかし、保護者や生徒からすると、メールがどのように送られたかは関係のないことです。これが、メールではなくメッセンジャーアプリなど、受け取り手が便利な形になるのは価値があります。

このように、DXが直接顧客価値を生む場合もありますが、意外と大きいのが、DXで業務効率化が進むことで、保護者や生徒に向き合う時間が増える、授業やコミュニケーションの質が向上するという価値だと思います。

DX=業務効率化として突き進むのではなく、そこからどんな顧客価値につなげるかまで同時に考えておくことが必要です。

失敗理由その4、導入後のサポート体制が不十分

システムを入れたはいいが、「あとはそちらで運用してください」と突き放されてしまうパターンがなくはありません。導入後のサポート体制は導入前に必ず確認しましょう。

その点、Comiruは塾専用に開発しているため、例えば「生徒数が増えてた」「講師の給与管理もしたい」「経営が安定したので集客に力を入れたい」など、塾・スクールならではのニーズに対応するノウハウが整っています。

導入後も「こんな機能は作れますか?」「どうすればこの業務が楽になりますか?」など気軽に相談できる窓口は大切だと思います。

失敗理由その5、複数システムの導入

特に最近よく耳にするのが、複数システムの導入をしていることが招く非効率性です。

今、EdTechという言葉もあるように、教育業界には多くのデジタルツールが存在しています。それ自体は良いことなのですが、その使い方が問題です。

例えば、入退室管理はAシステム、保護者連絡はBシステム、学習管理はCシステム、決済はDシステムとなると、これだけ使いこなす必要が出てきます。このような運用は操作上の非効率が生まれてしまったり、システム費用を全体で見たときにコストがかさんでしまったりということも。

システムはなるべく一元管理できるのがベストです。

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