監修いただいた先生
目標だった教室長。でもいざ働き始めると、「こんなはずではなかった」「思っていたより辛い…」という声も。「新米教室長のお悩み相談室」は、そんな悩める新米教室長のためのコラムです。解決するのは、おなじみComiruアドバイザーの大澤先生です。
今回のお悩み(個別指導習塾新米教室長 S・Sさん)
「夜は23時近くまで塾で残務処理、帰宅は0時過ぎ。深夜の食事で太ってきた…。休日に近所の買い物も行きづらい…。私のプライベート、このままで大丈夫でしょうか…。」
帰宅が深夜は止むなし…。深夜の食事には気をつけるべし!
仕事が終わって飲みにも行けないし、土日に彼女と一泊旅行も行けない。ええ、よく分かります(笑)。ですが、教室長=プライベートが充実しない職種、と一括りにしないほうがいいかもしれませんね。このお悩みを解決するにはもう少し状況を整理する必要がありそうです。
まず、教室長の仕事が終わるのは深夜近くになるということはよくあると思います。ところで教室長のみなさん、入社時の履歴書の写真を覚えていますか?今は別人という人も多いのではないでしょうか。教室長に限らず、塾の先生はだいたい太ります。夕方から授業をして、夕食にありつけるのが22時過ぎなんですから。
これだけは言わせてください。健康管理は大切です。夜遅くに仕事が終わってから食事をする人は、どこかのタイミングでやめたほうがいいです。夕方の授業の前に少し食べて、夜は控えめにするだけでもいいんです。若い人は今はいいかもしれませんが、数年後にツケが回ってきます。老婆心ながら…。
朝活のすすめ
夜型生活だからプライベートな時間がない…とため息をついている方は、ぜひ午前中を有効に使ってください。昨今では24時間営業中のスポーツジムも増えました。身体を動かしてください。ちなみに私はお散歩派です。
塾によっては明るい時間にサークル活動をしているところもあります。レクリエーションは仲間意識が芽生えていいと思います。多教室展開していれば、教室対抗のフットサル大会など、職場の活性化に繋がるかもしれませんね。私が責任者をしていたころには、目標達成のインセンティブとして、BBQ大会を開催したりしていました。プライベートが楽しめないと一人で殻にこもってしまわずに、教室長として何か企画してみるのも手です。
私も塾勤務が長かったのですが、結婚してから、午前中自由に使えるのはありがたいと感じるようになりました。一番の役得は子どもたちの授業参観に行けたこと。PTA会長もやりました。
生徒と生活圏が同じ場合に感じる不自由
プライベートが不自由、ということで言うと、自分が住んでいる地域に塾がある場合は確かにそうかもしれません。私もそんな時期があり、わざわざ遠いスーパーに買い物に行っていたこともありました。
これはどうしようもないことで、悩むほどなら引っ越すしかありませんし、大手塾なら数年の辛抱ということになりますが、考えようによってはうまく活用するという方法もあります。私はPTA会長をしていましたが、会長が塾をやっているらしい、という噂が広まり、相談に来られることが度々ありました。営業活動をしているつもりはないのですが、結果的に…(笑)
むしろ、地域のために塾を開きたいという個人塾経営者も少なくありません。不登校など問題を抱える子どもたちの行き場所が社会的な課題になっている昨今においては、需要は大いにあると思います。地域に根づいた学習塾を目指すなら、そんな働き方もありかもしれません。何を重視するかです。
人生の充実はインプットの量で決まる
夜型の生活スタイルになる、まとまった休暇が取りにくいなど、勤務条件によってプライベートが犠牲になると考えるのは、少し本質と違うような気がします。
深夜まで仕事が終わらないなら、Comiruのようなシステムを導入して業務効率化をすればいいですし、明るい時間に自由な時間があるということは、メリットもたくさんあります。
一つ言えることは、毎日子ども相手に仕事をしていると、インプットの機会が少ないということです。塾の先生はかなり閉ざされた世界にいます。特に、授業中心の業務をされている方は、どうしても視野が狭くなりがちです。
とはいえ、見方を少し変えれば教室長は「小さな企業の経営者」ともいえます。マーケティングから商品企画、人の採用にマネジメント、カスタマーコミュニケーションから予算管理まであらゆる領域のスキルがフルに求められます。ここまで幅広い経験値を積める職種は実はそうそうないのではないのでしょうか。
みなさんはそれに見合うための自分を高めるための勉強はしていますか?今はオンラインで、しかも無料で、様々な有益なコンテンツがあります。いくらでも学べます。自分のキャリアアップや視野を広げることに時間を使うこと、異業種の人と繋がることも、人生が充実する一つの手段かもしれません。塾以外にも、ワクワクする出会いを求めてみてください。
働き方は変わっていく
世の中的にも、働き方はどんどん多様化していきます。塾も、以前は結婚したら退職する女性社員が多かったと思いますが、コロナをきっかけにオンライン化も進み、働きやすくなってきたのではないでしょうか。何をおいても、未来ある子どもの教育に関わる素晴らしい仕事だと思います。
プライベートを充実させたいと願うのはどんな人でもどんな職業でも当然のことです。教室長だから何かを諦めなければいけない、とネガティブに捉えるのではなく、教室長だからこそできること、今の仕事をよりよくすることを考えてみると、人生が今よりも少し豊かになるかもしれませんよ。
塾の先生のお悩み、お聞かせください!ぜひこちらの目安箱にご意見を投げ込んでください。みんなで解決していきましょう。大変なこともあるけれど、他では味わえない魅力ある仕事だと、若い人たちにも知ってもらいたいですね!