【vol.6】 チラシの見直し方

監修いただいた先生

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興味を持たれない「イメージチラシ」と「メニューチラシ」

チラシの目的は「塾に興味を持ってもらうこと」です。そのためには最も大きな文字であるキャッチコピーが重要だと、前回お話しました。逆に、読者(保護者)から興味を持たれないチラシの代表が「イメージチラシ」と「メニューチラシ」です。

イメージチラシとは例えば、「カワイイ女子生徒」の写真(有料ポジ)を使用し、「頑張る君を応援します!」等の抽象的なキャッチコピー(キャプション)で構成されているチラシです。あるいは、ハードルを跳び越える陸上選手の写真に、「未来に向かってジャンプ!」などという構成も典型ですね。

見た目はカッコいいのですが、塾の特長が全く伝わりません。プロのデザイナーに依頼すると往々にして生じる現象です。彼らはデザインのプロなのであり、塾運営(塾生獲得)のプロではありません。

メニューチラシとは文字通り、「塾生募集」の大きな4文字と時間割、コース、授業料で構成されているチラシです。デリバリのピザ屋ならばいいのですが、一般的な外食の場合、メニューは店内に入ってから提示するものです。

ましてや塾は、顧客単価(生涯売上)が高額になるビジネスです。月額2万円、年額30万円、平均在籍年数2年と仮定すれば、総額60万円の商取引です。1枚数円のチラシにメニューを書いただけで、60万円の商品を買ってもらおうというのは無理があります。

チラシは地域の人(将来の見込み客)に対して、自塾を認知してもらうためのツールです。自分の子どもが塾年齢に達していない保護者が、イメージチラシやメニューチラシに興味を示すことはありません。また、塾を検討している保護者にとっても、あまり効果的なチラシではないでしょう。(もっとも、既に地域で評判を作っている塾ならば、どんなチラシを配布してもそれなりの反応があるのですが…)

ターゲットを思い浮かべてキャッチコピー&リード文を作る

こうした失敗は、全ての生徒(保護者)を対象としてチラシを作成してしまうことに原因があります。

以前にもお話しましたが、塾は卵や牛乳を売っているのではありません。どんな塾にも得手不得手があります。自塾を必要とする20%の生徒(家庭)を対象とした塾作りをして、その20%の人が「この塾は私(我が子)のための塾だ」と思わせることが必要です。

ならばチラシも、その20%の人に向けての情報発信であるべきなのです。あなたの塾がターゲットとする20%の生徒を思い浮かべて、彼らに向けたメッセージをキャッチコピー&リード文に込めてください。

「読者に求める次の行動」を意識したチラシ作りがポイント

後は細かいことの羅列になりますが、重要なことは「読者に求める次の行動」を意識してチラシ作りをすることです。

例えば電話での問合せをしてほしいのなら、電話番号を大きく表示することです。そして「受付時間」「担当者」を明記して、「お気軽にお問い合わせください」のコメントも忘れずに。これらは全て、電話を掛ける時の心理的障壁を低くする手段です。我々が思っている以上に、塾に電話を掛けるという行為は心理的負担が大きいものです。

また、ホームページに誘(いざな)いたいのであれば、QRコードの表示は必須でしょう。母親の90%はスマホを持っています。電話で問い合わせてくる保護者は、間違いなく事前にホームページを閲覧しています。  

そこでホームページです。

ホームページの制作コンセプトはチラシと変える!

今や、ホームページを持っていない塾は稀ですが、効果的なホームページを持っている塾も稀です。ホームページの特長を全く生かし切れていないのです。

チラシは「塾に興味を持ってもらうこと」が目的でした。それに対してホームベージは「塾を疑似体験してもらうこと」が目的です。それなのに、ホームページの制作コンセプトがチラシとほとんど変わらない塾が多いのです。

例を挙げると、チラシは全て文字と画像で構成されます。ところがホームページも文字と画像で構成されている塾が多いのです。それどころか、同じソースをチラシとホームページに載せているケースも珍しくありません。せっかくチラシで興味を持った保護者が、ホームページを覗いて全く同じ文章と写真が載っていたら…ガッカリします。そこで「手抜き」を感じた保護者は、肝心の授業・指導も手抜きをしていると思ってしまいます。これでは逆効果です。

原因は、チラシを作成するときにホームページから内容をコピー&ペーストしてしまうことです(あるいはその逆も)。

ホームページはチラシとは比べ物にならないくらいの情報量を掲示できます。その代表が映像です。例えば塾長挨拶。文字で掲示するのではなく、塾長自らが登場する映像で生の声として届けることができるのもホームページです。授業の様子やイベントの様子も映像で伝えたいものです。(ただし、生徒の肖像権には要配慮)今はYouTube等を利用することで、簡単に映像をホームページに掲載することができます。ぜひトライしてください。

中小・個人塾の場合、塾=塾長です。塾長がどんな人で、どんな考え方を持っているかを、保護者は最も気にしています。ですからチラシでもホームページでも、塾長が顔と名前を堂々と出すべきなのです。それが安心感を生みます。

さて、チラシ&ホームページを経て、いよいよ塾に問い合わせの電話が掛かってきます。ここが保護者と塾のファーストコンタクトであり、最も重要な局面です。次回、電話対応の肝について詳しく解説します。

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