
学習塾・スクールの現場では、ここ数年でタブレット学習を取り入れる教室が一気に増えました。 とはいえ、「本当に効果があるの?」「うちの塾にも合うの?」と迷っている塾長・教室長も多いのではないでしょうか。
この記事では、塾でのタブレット学習の使われ方から、メリット・デメリット、そして採用する価値があるかどうかまでを、実例ベースで整理していきます。
タブレット学習とは?塾での活用のされ方を紹介
タブレット学習とは、専用の学習システムやアプリを使い、タブレット端末上で演習・復習・確認テストなどを行う学習スタイルです。現在、学習塾での活用方法として多いのは、 「授業そのものをすべてタブレットに置き換える」のではなく、対面授業と併用する形です。具体的には、
- 授業中の演習問題
- 理解度チェックの小テスト
- 宿題や家庭学習
といった場面でタブレットが使われるケースが主流です。
タブレット学習では、自動採点や進捗管理ができるため、「どこでつまずいているか」「どの単元が未定着か」など、課題が一目で把握できます。その結果、学習効果を高めやすくなるだけでなく、講師の丸つけや管理業務の負担軽減にもつながります。
つまり、これからの学習塾・スクールでは、対面指導 × タブレット学習のハイブリッド型が、スタンダードになりつつあると言えるでしょう。
参考:学習塾はすでに5割がICT導入、学習成果向上や理解度把握に効果あり(ASCII.jp/2022年10月)
タブレット学習のメリット・効果
タブレット学習を導入する際の、塾側のメリットと生徒・保護者側のメリットをまとめます。
塾側のメリット
塾側にとって大きいのは、学習状況が「見える化」されることです。
- 生徒がどこまで取り組んでいるか
- 正答率が下がっている単元はどこか
- 宿題をきちんと進めているか
こうした情報がデータとして蓄積されるため、「なんとなく様子を見る」指導から、「根拠のある声かけ」へと変わります。
例えば、「最近この単元でミスが増えてるね」「ここは理解できているから、次に進もうか」といったように、指導が具体的かつ的確になります。
また、進捗管理や採点にかかる時間が減ることで、生徒と向き合う時間が増える大きなメリットです。
生徒・保護者側のメリット
生徒側のメリットは、自分の理解度が分かりやすいことです。正解・不正解だけでなく、得意・不得意が数値やグラフで表示されるため、「何を復習すべきか」「どれだけ演習するべきか」などが明確になります。
また、理解度に応じて問題が出題される仕組みを取り入れている教材も多く、一斉指導では難しかった個別最適化された学習が実現しやすくなります。
保護者にとっても、
- 学習状況の通知が届く
- 取り組み量や成果が確認できる
といった点は安心材料になります。
「家でちゃんと勉強しているか分からない」という不安を減らし、塾と家庭のコミュニケーションをスムーズにする役割も果たします。
塾でのタブレット学習のデメリット・弊害
一方で、タブレット学習には注意すべき点もあります。まず、「タブレットを導入すれば成績が上がる」というものではありません。目的や運用ルールが曖昧なまま導入すると、
- ただ問題をこなすだけ
- 理解が浅いまま先に進む
といった状況になりがちです。
また、生徒の性格や状況にもよりますが、
- 画面を見ているだけで思考が止まる
- 質問せずに自己完結してしまう
といった弊害が出るケースもあります。
さらに、講師側がデータを十分に活用できていないと、
- せっかく管理できるのに見ていない
- 声かけが従来と変わらない
という、もったいない使い方になってしまいます。
タブレット学習は、あくまで「便利な道具」。対面指導や声かけとセットで設計しなければ、効果は十分に発揮されません。
塾でのタブレット学習は採用する価値がある
タブレット学習は、「新しい学習スタイル」というよりも、学習塾・スクール運営の中で起きがちな課題を整理し、解決しやすくする仕組みと考えると分かりやすいでしょう。たとえば、次のような悩みを感じている塾には、特に相性が良いと言えます。
(1)宿題管理の負担が大きい
宿題を出しても、「やってきたかどうか分からない」「丸つけや確認に時間がかかる」といった悩みはよくあります。タブレット学習を使えば、取り組み状況や正答率が自動で記録されるため、宿題管理が属人化しにくくなります。講師は「提出されたかどうか」を追うのではなく、「どこでつまずいているか」に目を向けられるようになります。
(2)個別対応が増えて講師が疲弊している
個別指導や少人数指導では、生徒一人ひとりへの対応が増える分、講師の負担が大きくなりがちです。タブレット学習で理解度や進捗が可視化されると、その場で必要な声かけや指導に集中できます。「全員を均等に見る」から「必要な生徒を重点的に見る」指導へとシフトでき、講師の疲弊を防ぐことにもつながります。
(3)学習状況を感覚で把握している
「なんとなくできていそう」「前よりは良くなっている気がする」などといった、感覚的な判断に頼っていると、指導の精度は上がりにくくなります。
タブレット学習では、学習量・正答率・定着度といったデータが蓄積されるため、指導の根拠を持てるようになります。結果として、講師間での情報共有や、保護者への説明もスムーズになります。
(4)生徒数が増え、管理が回らなくなってきた
生徒数が増えると、全員の進捗が把握しきれなかったり、フォローが後手に回ったりといった状況が起こりやすくなります。タブレット学習を取り入れることで、人数が増えても管理の仕組み自体は大きく変えずに運営が可能になります。塾の成長フェーズにおいて、指導と管理の両立を支えるツールとしても有効です。
活用アイデア:タブレット学習×Comiruで「学習状況が自然に伝わる塾」へ
現在の課題
中学生を中心に指導する地域密着型の個別指導塾。以前からタブレット学習には興味があったものの、次のような課題あり。
- 宿題の取り組み状況を、口頭やノートでしか把握できていない
- 保護者への報告が、面談や電話に偏っている
- 「ちゃんと見ています」ということが伝わりにくい
- 講師ごとに管理・報告のやり方がバラバラ
学習状況は把握しているつもりでも、うまく共有できていないもどかしさが、塾全体の課題に。
タブレット学習とComiruの連携イメージ
演習・学習管理はタブレット学習、コミュニケーションはComiruと役割を分けて運用をスタート。
具体的には、
- 授業中・家庭学習の演習はタブレットで実施
- 取り組み状況や理解度は、講師がデータで把握
- その内容をもとに、Comiruで学習の様子や一言コメントを配信
という流れです。タブレット学習で「事実(データ)」を押さえ、 Comiruで「言葉」にして届けることで、保護者にとって分かりやすい情報共有が可能になります。
期待される効果
導入後は、学習管理とコミュニケーションの質が大きく変わります。
- 宿題の取り組み状況を感覚ではなくデータで把握できる
- Comiruでの連絡内容が具体的になり、説得力が増す
- 「今日はここを頑張りました」「ここが課題です」と伝えやすくなる
- 保護者からの確認連絡や不安の声が減る
講師からは、「何を書けばいいか迷わなくなった」「学習状況を振り返りながらコメントできる」といった声も。
まとめ
タブレット学習が、学習塾・スクール運営の効率化と、指導の質の向上が見込める便利なツールです。大切なのは、導入すること自体を目的にしないこと。自塾が抱えている課題を整理し、「どの業務を、どこまで任せるのか」を考えたうえで活用することで、タブレット学習は大きな武器になります。













