オンライン塾を成功させるための授業アイデア

監修いただいた先生

オンライン授業の需要が高まるなかで、始めてみたいけれど難しそう、取り組んでいるもののいまいち生徒の反応が良くないなど、悩んでいる塾・スクールも少なくないと思います。

 

オンライン授業はこちらの記事でご紹介したとおり、「映像が映せるPC」「しっかりしたネット環境」があれば始められます。問題は、どんな授業をするかです。対面授業とどう差別化するか、オンライン授業にしかない強み、価値をどのように提供するかがとても重要です。今回は、オンライン塾を成功させるための授業アイデアをご紹介します。

オンライン体験授業はしっかり準備を

入塾希望者には必ず体験授業を受講してもらいましょう。これは、インターネットやPC環境の確認の意味もあります。事前に必要なものや授業の流れなどをまとめた資料に目を通しておいてもらいましょう

 

また、授業中によくあるトラブル(インターネットの接続が切れた、Zoomなどシステムの不具合、誤操作など)をあらかじめ紹介し、それぞれの対処法を案内しておくと親切です。

 

<参考> エヌラボスタディの体験授業申込者への案内メール(一部)

 

エヌラボスタディの「体験授業のご案内」


※オンライン授業に関する注意事項です。お子様にも必ず共有してください。


【体験授業はZoomを使って行います】

PC、タブレットどちらでも構いません。Zoomのインストールをお願いいたします。

授業では生徒の表情を読み取るため、お顔出しで参加をお願いいたします。

※特殊な事情がある際はその旨お伝えください。

【Zoomがうまくつながらないとき】

以下の方法で解決します。

①イヤホンを外す(zoomの設定が勝手に変わることがあるため)

②携帯電話、タブレット、PCなどを再起動する(異常な設定値が元に戻るため)

③WiFiルーターの近くで授業を受ける

【途中でZoomが切れた場合】

授業中、何らかの原因でZoomの接続が途切れた場合は、

お手数ですが、以下の番号に再度入り直しをお願いします。

https://us02web.zoom.us/j/4

ミーティングID: *** パスコード: ***


入室時に『オーディオに参加』というボタンを押してください。

※「自動的にオーディオに参加」をチェックしていただくと、次回以降この確認作業がなくなりますので、入室しやすくなります。


体験用の教材も添付いたしました。印刷の上授業に臨んでください。

※プリントは解いても解かなくてもどちらでも大丈夫です。

では、体験授業でお会いすることを楽しみにしております。

 

オンライン授業の体験授業の成約率は、対面授業の時よりも低いと言われます。これは、オンラインではコミュニケーションが取りづらいことと、保護者が授業を見ていて、入塾の意思決定に関わることが多いからだと思われます。普段授業を受ける経験がほとんどない保護者にとって、「ちょっと今の解説分かりづらいかも…」「一箇所だけあいまいな表現が気になった…」など、どうしてもマイナス評価が印象に残ってしまいます。

 

体験授業は成約への入り口です。体験授業用の教材をきちんと作り込み、教え方や派生する情報(おもしろいネタ)などよく研究してから本番に挑みましょう。教材は手元に置けるようにPDF化して事前に送り、当日はプリントアウトして持参してもらいましょう。保護者が見ることを想定し、保護者目線の解説を加えるのも効果的です。

 

対面授業でも同じことが言えますが、体験授業を担当するのは人気講師、エース級の先生にするのが鉄則です。授業はオンラインならではの工夫で盛り上げ、従来の対面授業でなくても十分学習できること、むしろオンラインの方がメリットが多そうだというイメージを伝えます。どんな工夫ができるのか、続けてご紹介します。

オンライン授業は工夫次第

オンライン授業は基本的には1人で受けるもの。集中力が途切れたり退屈になってしまわないよう、教え方ももちろんですが、楽しんでもらう工夫を凝らしましょう。対面授業では先生のキャラクター勝負になってしまうようなことも、オンラインならICTの力でいろいろな工夫ができます。

・カメラはON。声がけのタイミングに注意する

必ずカメラはONにしてもらい、オンラインでも相手の存在を近くに感じられるようにします。また、「解説を聞いて、問題を解く」の繰り返しでは、集中力を持続することが難しいものです。30秒に1回、少なくとも1分に1回は声をかけ、進捗を確認したり、授業に派生したネタ話などで生徒のやる気を高めてあげましょう。

・効果音を取り入れる

オンライン授業では、効果音を使って授業を盛り上げたり、生徒のやる気を高めたりすることができます。よくあるのは、問題を出す際に「じゃじゃん」とクイズ番組のような出題音、間違えたときには「チーン」という音、正解したときの「ピンポーン」という音、考える時間に「カウントダウン」などです。授業の妨げにならないように、音量やタイミングに気をつけながら使用するとよいでしょう。

 

参考:https://soundeffect-lab.info/pon/app.html(無料)

・リアクションボタンを活用する

Zoomのリアクション機能を活用するのもおすすめです。「わかった」という際にはサムズアップのボタンを押す、面白いと思った際には笑顔の絵文字を押すなどすれば、生徒の反応を感覚的につかむことができるでしょう。

・黒板やホワイトボードでは展開できない板書

「黒板に書いてノートに写しては消す」を繰り返す対面授業と違い、オンラインならではの動画作成ツール、プレゼンツールはたくさんあります。ComiruAirのように、塾・スクールに特化したシステムを導入するのもよいと思います。

 

参考:https://comiru.co/lp/air/

・不登校生徒に配慮した授業

不登校や何らかの問題を抱える生徒がオンライン授業を希望することもあります。そのような場合、どんな授業なら参加しやすいか、声をかける頻度など相談しながら進めていきましょう。例えば顔を映したくないならアバターを使うという手もあります。

オンライン授業後の確認テスト・復習

オンライン授業後は確認テストを実施しましょう。問題をダウンロードして解かせ、保護者に丸つけしてもらってもよいと思います。指導報告書でその日の授業を振り返り、確認テストの解答を写真添付で返信してもらいます。

 

子どもが自室で受講する場合、保護者は授業内容や学習進度、理解度を把握することが難しいでしょう。オンライン塾でも、保護者とのコミュニケーションはとても重要です。指導報告書や確認テストがそのきっかけになります。

まとめ

今回は、オンライン塾を成功させるための授業アイデアをご紹介しました。体験授業では保護者の協力のもと、オンライン授業がストレスなく受けられる環境かどうかを確認しましょう。その上で、オンラインならではの工夫を凝らした授業や教材で生徒、保護者の心をつかみましょう。

 

ICTツールを駆使して楽しい授業を作ることができるのはオンライン授業ならではです。今どきはオンラインに慣れている生徒も多いと思います。最新情報を常にキャッチアップして、授業を進化させていきましょう。

 

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