地方ほどオンラインのメリットを享受できる

個別指導サクセス

お名前 塾長 鈴木宏治 氏
本社 岩手県 盛岡市
対象 小学生、中学生、高校生
個別指導

課題 ・差別化ポイントとなる送迎サービスのコスト ・悪天候など保護者が送迎できない場合の欠席 効果 ・塾と保護者の送迎工数の削減         ・送迎不要になったことでの商圏拡大

個別指導サクセスの紹介

塾長の鈴木氏は大学卒業後、大手住設メーカーの営業部に入社。大手ハウス・マンションディベロッパーなどを担当する。入社2年目にして大型設備の納入実績(東北初)を果たすなど、上司からの期待も高かったが、直属の上司と衝突し退職。その後、たまたま見つけた塾講師のバイト(スクールIE)から、教室長となり、担当教室を4年連続で「全国優秀教室賞」に。

2011年、東日本大震災を経験し、独立を決意し翌年、岩手県盛岡市に現教室を開校。現在に至る。

服装・髪型自由、教室内飲食OK、宿題ナシなど、自由なスタイルで塾運営中。また、課外活動や習い事コースなど、体験型学習に力を入れている。 


オンライン授業導入により、塾運営のコストを圧縮

個人経営塾は知名度という点でどうしても大手塾にはかないません。そこで私達は開校以来、送迎サービスを導入することで差別化をはかり、塾が少ない郊外からのニーズを獲得していました。もちろん別途、送迎サービスの利用料金はいただいていますが、塾としてはかなりコストがかかるのが悩みの種でした。


オンライン授業にすることで送迎が減り、コストダウンにつながりました。また、岩手県は大雪など天候によって送迎できない場合もあるため、オンライン授業ならうした問題も回避することができるようになりました。

遠方からでは通いにくい、という物理的な距離をカバーするのが送迎サービスでした。この課題を一気に吹き飛ばせるのがオンライン授業といえます。都市部よりも地方のほうがオンライン授業導入のメリットは大きいと思います。 

金銭面、時間面など、保護者メリットも多数  

保護者にとってはまず、送迎料金が不要になるという経済的メリットがあります。保護者が送迎をしている家庭もありますので、その場合の負担を減らせることも大きなメリットといえるでしょう。

実際にご家庭で送迎をする保護者からは、「送迎の手間がなくなってありがたい」とよく言われます。生徒を塾に送った後、授業の間は近くで時間をつぶして待機されていた保護者もいらっしゃり、待機の時間も含めると保護者の時間的負担をかなり削減できます。「今はお酒も飲める」と喜ばれたこともありますよ。

オンライン授業自体は始めたばかりですが、講師も生徒も楽しんで取り組んでいます。私達は自立支援型の塾のため、生徒がその日に取り組む課題があらかじめ決まっています。生徒各自がワークに取り組みつつ、わからない部分や間違った部分を講師が教えるスタイルです。授業は5名以下の少人数で実施していますが、オンラインになったからといって、特にやりにくさは感じていません。 

一般的に、塾のオンライン授業は生徒の集中力が続かない、見えないところでスマホをいじったり、サボったりということがあるようですが、自塾ではそういったことはありません。そもそもスマホなどのデバイスをオンライン授業に使っていますし、自宅ではすぐそこに保護者の目もあるので、かえって集中せざるを得ない状況になるようです。 

オンラインとオフラインの“いいとこ取り”が必要

オンライン授業を導入するにあたり、画面共有をしたり専用タブレットで生徒の回答がダイレクトに講師に表示させたりという、オンライン授業ならではの使い方が便利かと思っていました。しかし子どもたちは紙に書くことに慣れているので、タブレットで書いたり消したりという基本動作に手間取る場合が多い。また、専用の端末が必要となると、塾のコストはもちろん保護者の理解も得られにくく、現実的ではありません。そのため私達はオンライン授業でも、これまで通り紙のワークを主体とした授業で進めていくつもりです。


自塾特有かもしれませんが、今後はオンライン授業とオフラインの“いいとこ取り”が必要だと思っています。一般的な学習塾のように科目授業だけではなく、科学実験や釣り、ピアノなどの体験学習、課外学習にも力を入れています。しかしこういった授業はやはりオンラインではできませんので、引き続き対面で行います。一方で、科目授業については半年程度で、全てオンラインにシフトしていきたいと思っています。 

個別指導サクセスでオンライン授業について更に改善していきたいポイント

オンライン授業になったことで、曜日や時間帯といった時間的制約が格段に少なくなりましたが、もっと効率的にできると思っています。これはオンライン授業を始める前から感じていたことですが、塾の一斉授業の時間はとても非効率だと思います。一斉授業で教えるのではなく、必要な授業動画を事前に用意しておき、要所でそれを生徒に見てもらう。さらにワークにも解き方が書いてあるので、それを参考にして生徒自身で学習してもらい、それでもわからない部分を講師が丁寧に教えて理解を深めてもらうという方法にしていきたいと考えています。

オンライン授業を導入する以前から、自塾では必要に応じて無料の授業動画などを探してきてはそれぞれの生徒にURLを案内していました。生徒が見て飽きないような、わかりやすく解説されている動画コンテンツなどを探すのは時間がかかりますが、その分、講師は生徒一人ひとりのサポートや保護者対応に時間を使えるようになる。より効率的に運営していけると考えています。

塾の価値は「教える」から「サポート」へ

すでに無料の授業動画やコンテンツがこれほど世に溢れているなかで、塾で学ぶということの価値は今後一層薄れていくと思うのです。それよりも塾がやるべきことは、勉強の理解を深めるサポートや、情報提供だと考えています。提供する情報も、単に大学の名前やレベル、試験問題の傾向といった目先のものではなく、将来を見通すためのリアルな現実を伝えていく。たとえば県内企業の新卒の募集要項を見せて、中卒と大卒では月収にどれほどの差が出て、生涯年収が違ってくるか。こうした事実は勉強の必要性を実感させ、モチベーションを維持させるのに有効ですが、子ども自身では考えが及ばないものです。ただ勉強を教えるということよりも、サポートやコーチングに重きを置くことが、今後の塾により一層求められていることだと思います。

地方ほどオンラインのメリットを享受できる

岩手県は、盛岡市内の中心部には塾が多いですが、一方で少し離れた沿岸部などは、通いたくても周囲に塾がほとんどありません。こうした地域に新しく塾を開校するのは難しいですが、需要はゼロではない。私達は授業を完全にオンライン化することで、こうした地域の潜在顧客も取り込み、岩手県全域に商圏を拡大していけると考えています。 塾のオンライン授業はまだまだ浸透していませんから、新規の集客は難しいとは思いますが、今後はSNS広告やオンラインの体験授業などを企画して拡散していきたいと思います。