卒塾生へのアプローチどうしてる?効果的なカムバック戦略

進級してほしいけど、受験で一区切りがついて退塾に…。退塾した生徒への復塾のアプローチはできていますか。今回はどうやったら塾に再入会してくれるのか「カムバック戦略」について考えます。

Comiruのサービス資料を無料ダウンロード

学習塾の場合、小6あるいは中3、高3が卒塾のタイミングです。大学受験が続く場合でも、受験目的で通塾していた小6あるいは中3の生徒は、合格を機に塾通いをやめることもあるでしょう。

 

「合格することが目的じゃない。学習することをやめないでね。中学・高校でも勉強で成果を出してね。」

 

そう言って見送った生徒が、進学先で初めからうまくいくとは限りません。授業についていけない、今までトップ成績だったのにクラスの下位になってしまった、初めての教科でつまずいた……ということはよくあることです。

中学・高校の場合、最初の定期テストでつまずいてしまうと、この先ずっと不安がつきまとうなんてことになりかねません。子どもの学習習慣なんて、ちょっとしたきっかけですぐになくなってしまうものです。部活などで忙しくなることに加え、誘惑がたくさん増えます。

 

実はこの進学してすぐのタイミングが、”カムバック作戦”の一番の狙いどきです。実際にカムバックを考えた卒塾生の声も合わせてご紹介します。

 

仕込みは卒塾のまえに始まる

 

再び通塾してもらうための戦略を、ここではカムバック作戦と呼びますが、この仕込みは通塾中から始まります。

 

「中学生になったら制服を見せに来てね」「学校や部活の話を聞かせてね」などの、「授業がなくてもいつでも気軽に立ち寄ってね」というメッセージは基本のき。

 

「Hさんなら++中学校に行っても成績は上位だと思うよ。でも英語は内部生がかなり優位。相当がんばらないといけないよ。もし困ったらいつでも相談においでね」

 

「**高校の数学科には有名な先生がいて、なかなかレベルが高いんだよ。食らいついてみて、手強いなと思ったら相談においでね」

 

「この学校に進学する子はみんな勉強が得意なはず。成績上位を死守して大学進学を優位に!と思うなら、Yさんのことをよく知ってる私たちがちゃんとフォローするよ」

 

など、具体的な課題イメージを提示しながら、相談相手の選択肢の一つとして塾をアピールします。「何かあったら相談して」ではなかなか相談してはくれません。具体的な挫折シーンを相手に刷り込むことが肝心です

 

通塾中から「卒塾しても大事な生徒だよ」「あなたのことが心配だよ」「応援したいよ」という姿勢を感じ取ってもらいましょう。

 

最初の定期テストが終わったらまずアプローチ

 

近隣の学校なら定期テストの情報は入ってくるかもしれません。もしくは、同校の通塾生がいればテストの内容や結果まで知ることができます。このタイミングで一度アプローチします。

アプローチの方法は卒塾生にまとめてお手紙またはメールで十分です。ご相談はお気軽にどうぞ、くらいで構いません。門戸を開放していることを示すだけで大丈夫です。

 

塾のアピールは今さらする必要はありませんが、できれば入会金免除、1コマ無料など、卒塾生特典があればより効果的です。

 

何も困っていなければ「さすがだね!」で終わる話ですが、最初のテスト、そうは行かない場合が多いでしょう。可愛い教え子たちの最初の試練に「大丈夫だった?」と声をかけてあげましょう。

 

<卒塾生の実際の声>

定期テストが終わったタイミングで、中学受験でお世話になった先生から「はじめてのテストはどうだった?困ったことがあったら、相談してね」とメールをいただきました。中学受験で最後の最後までサポートしてくれた先生だったので、気にしてくれたことがうれしかったし、実は、数学の点数が思うようにいかなかったことを相談してみたくなりました。(東京都Fさん・中1)

 

卒塾生を招いたイベントで塾の価値もUP

 

子どもたちは、今まで常に顔を合わせていた友達と会えなくなるとさみしいものです。卒塾して時間が経ち、それぞれの進学先の話もたくさんしたい!そんな初々しいタイミングで、卒塾生が集まれる場を作ってあげるのもいいでしょう。

 

ただし、ただ集まってお菓子を食べて写真を撮っておしまい、では勿体無い!卒塾生は塾にとって大切な資産です。情報収集もきっちり行いましょう。

進学先の雰囲気はどうか、授業はどうか、現役の通塾生に必要なリアルな情報を集めて活用しましょう。

 

コンテンツとしては、現役受験生も交えた交流会がおすすめです。自分が行きたい学校の先輩の話なんて聞きたいに決まっています。受験のアドバイス、質問コーナーなどを企画すると良いでしょう。また、通っている学校のおすすめポイントや制服、部活動紹介などを簡単にまとめたポスターを即席で作ってもらうのもいいかもしれません。

 

このタイミングでも、進学先の授業についていけているか、定期テストの結果、部活との両立の悩みなどを聞き、困ったらいつでも相談に来るようにと伝えましょう。

 

現役の塾生にも卒塾生にも、もちろん塾にとっても、とてもメリットのある時間です。

 

<卒塾生の実際の声>

志望校を目指す受験生に先輩としてアドバイスしてみませんか?とのメールを受け取りました。娘自身も受験生だったときに、とても参考になって志望校への思いを強くしたイベントでした。「行ってもいいけどね」なんて嬉しそうにしていました。先輩としての自信とプライドが感じられ、親としても誇らしかったです。

久々に塾に足を運ぶと、頑張っていたころを思い出したようで「やばい全然勉強してないや」と焦っていました。受験友達とも久しぶりの交流で楽しそうでした。(同Fさんの保護者様)

 

卒塾生と連絡を取るために

 

卒塾後に生徒に連絡することがあることは、通塾時から保護者や生徒本人に伝えておくとスムーズです。生徒自身が先輩卒塾生から話が聞けるような経験があれば、「自分も志望校に合格して後輩に伝えよう」と思ってくれるかもしれません。このことが本人のモチベーションUPにも繋がるでしょう。

 

卒塾生を再び迎えることは、塾の理念や方針をすでに理解した上で、もう一度選んでくれたということで、新規入塾よりもはるかに意味があることです。本人の性格や家庭環境などのバックグランドがわかっているため指導もしやすく、成果も早期に出やすいでしょう。

 

卒塾後にも連絡が取れるように、住所やメールアドレスなどを入手しておくことをお忘れなく。

 

卒塾した生徒の分を集客しなくては!と焦るより、時間をかけて育てた生徒に再び戻ってきてもらうカムバック作戦も検討してみてください。中高生なら、お友達も誘ってくれるかもしれませんよ。

 

<アプローチレター作成例>