監修いただいた先生
塾やスクールの生徒募集といえば、これまではチラシや看板、ご近所のクチコミが主流でした。しかし近年は「情報の取得方法」や「信頼の基準」が大きく変化し、これまでの手法だけでは限界を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、生徒募集の成否を分ける「クチコミ術」を、アナログとデジタルの2軸に分けてご紹介します。前編では、まずは土台となるアナログのクチコミ術を3つピックアップ。地域密着の塾・スクールにとって、地に足の着いたアナログ施策は今でも重要な役割を果たします。ぜひ取り組みのヒントにしてください。
① 近隣の学校の情報収集と関係づくり
地域の保護者の信頼を得るには、「この塾、うちの学校のことよく知ってるな」と思ってもらうことが重要です。たとえば学校で使っている教材や先生の口癖、テストの傾向などの小ネタは、日ごろの講師同士の会話や保護者面談などで少しずつ共有・蓄積できます。
こうした情報がブログや面談で活きてくると、「学校のことをしっかり把握している塾」として認識され、結果としてクチコミにつながります。
② 保護者向けイベントや説明会を充実させる
保護者の心をつかむには、安心感と信頼感がカギ。そのために、定期的な保護者説明会や懇親会など、顔を合わせて話せる機会を設けましょう。
コストをかけないなら、「◯◯中学定期テスト対策」「△△高校入試対策」などのミクロな視点から、コストをかけてでも集客したい場合は著名人を招いての学習セミナー、保護者啓蒙セミナーなどのマクロな視点からのアプローチがよいでしょう。
クチコミを狙うには、生徒の保護者が友人と参加できるようにします。そうすることで、保護者同士のコミュニケーションの質も上がり、「信頼できる塾」「役に立つ塾」というイメージがつきます。
イベントから次のアクションにつなげる仕組みを!
セミナーの前後どちらかで塾の紹介を必ず入れましょう。また、セミナーの最後には、セミナー参加者限定特典つき体験授業の案内を行います。よくある特典としては「セミナー参加者は入会金無料」などです。
さらに、座談会形式や個別相談の時間を取り入れることで、参加者同士のクチコミも自然と広がっていきます。日程調整や告知にはComiruのような保護者連絡ツールを使えばスムーズです。
③ 「友だちと一緒に行ってみよう」と思わせる仕掛けをつくる
生徒が友達を気軽に誘いたくなるような実用的で楽しいイベントを開催し、友達同士の参加を特典で後押しします。イベントを通じて塾の魅力を体験してもらい、紹介のきっかけを作ります。
「定期テスト直前対策講座」
テスト2週間前に、主要科目の「直前対策講座」を無料で開催します。可能であれば、「◯◯中学校のA先生が作りそうな対策プリント」「△△高校の中間テスト過去問解説」など、具体的で実践的な内容が効果的です。
生徒は塾生でなくても参加可能にします。講座後には、全員参加型のクイズ(例:英単語対決、計算スピード勝負)など、盛り上がるコーナーを用意し、勝者に塾オリジナルグッズをプレゼントするのもよいでしょう。
「自由研究相談会」
小中学生向けには、夏休み前の「自由研究相談会」が効果的。科学実験のアイデアやポスターの作り方を講師がアドバイスします。参加者は簡単なプログラムを体験し、完成品を持ち帰れるようにします。
友達を誘う特典を用意する!
友達を連れてイベントに参加した生徒には「ペア特典」を提供しましょう。
例:塾オリジナルノート+図書カード500円分を両者にプレゼント。友達がその後入会した場合、紹介者にさらに1,000円分のAmazonギフト券を進呈。
イベントは教室のチラシやSNSなどで告知します。チラシには「友達と一緒に参加すると特典GET!」と大きく記載し、QRコードで申し込みフォームに誘導しましょう。申し込み時に「招待する友達の名前」を入力する欄を設け、ペア参加を簡便に、かつ、この後のフォローアップに役立てます。
イベント後、参加した未入塾の生徒に「無料体験授業」の案内を送ります。メールアドレスを収集するか、LINE公式アプリがあればフォローしてもらうようにしましょう。
イベントの様子は個人情報に十分配慮の上、GoogleビジネスプロフィールやSNSに投稿し、塾の活気をアピールしましょう。
実用的で楽しいイベントは、生徒が「友達を誘いたい!」と思うきっかけになります。特典があることでモチベーションも上がります。友達同士の参加を通じて、塾の雰囲気を直接体験し、そのことが入会のハードルを下げるでしょう。
友達紹介カードの活用
「友達紹介カード」を活用し、在籍生に手渡してもらうといった手法は今でも有効です。
カードのサイズはA6くらいがおすすめ。他の書類と見分けがつくように、カラフルなものがベター。ネットプリントなどで依頼しても、100枚で1,000円程度で済みます。
表面には塾・スクールのロゴと「友達と一緒に成績アップ!」といったキャッチコピーを記載しましょう。裏面には、紹介者と友人の名前を記入する欄、特典内容(例: 入会金50%オフ、紹介者に500円分の図書カード)、有効期限を明記します。体験授業の応募QRコードを入れる形でもOK。デザインにこだわりすぎる必要はありませんが、無機質すぎてもアクションにつながりません。「この塾、ちょっと気になるな」と思わせるようなキャッチコピー、キャンペーン内容を検討しましょう。
学期末やテスト前の保護者面談時に、生徒1人につき3枚ずつ配布します。生徒に「仲の良いお友達に渡してね」と伝え、カードの使い方を簡単に説明しておきます。紹介者本人にも特典があることも忘れずに伝えましょう。特に、バスケ部、サッカー部などの結束力の強い部活に入っている生徒の影響が大きい傾向にあります。
カードの使用状況は随時顧客管理システムなどに反映させ、どの生徒が積極的に紹介しているか、その学校、エリアからのアクションが増えているかなど把握するようにしましょう。
特典を何にするかは迷うところですが、保護者の心象も含め、図書カードが無難かもしれません。塾のオリジナルグッズなど、生徒の年代が喜びそうなものを用意しておいてもよいでしょう。例えばロゴ入りのペンや、カドケシなどの特徴のあるものが人気です。
おすすめ販促ツールサイト
紙の紹介カードは昔からあるアナログな集客手法ではありますが、塾に通っている生徒からの良いクチコミがフックになるため、打率がよく、費用対効果を考えれば「やらない手はない」と言えます。
後編では「デジタルのクチコミ術」へ
ここまで、地道だけれど効果の高い“アナログ”のクチコミ術をご紹介してきました。しかし現代の保護者世代は、スマホでの情報収集が当たり前。WebやSNSの整備を怠ると、「よくわからない塾」に見えてしまうリスクも……。
後編では、いま注目の「デジタルのクチコミ術」を3つご紹介。GoogleビジネスプロフィールやLINE公式アカウントなどを活用して、塾の魅力を効果的に伝える方法をお届けします。
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